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ニルヴァーナ『In Utero』に参加したチェロ奏者 参加の経緯や録音の様子などを初めて語る

2023/09/23 19:54掲載
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Nirvana / In Utero
Nirvana / In Utero
ニルヴァーナ(Nirvana)の1993年アルバム『In Utero』にはチェロ奏者のケラ・シャリーが参加した曲があります。シャリーはこのアルバムへの貢献について、これまで公の場で語ることはありませんでしたが、『In Utero』の発売30周年を記念して、参加の経緯やレコーディングの様子などについて初めて語っています。

彼女が参加したのは「All Apologies」と「Dumb」の2曲。シャリーは当時、プロデューサーのスティーヴ・アルビニ(Steve Albini)のガールフレンドでした。米ローリングストーン誌のインタビューの中でこう話しています。

「私がそこにいたのは2日間だけ。スタジオには私とカート(コバーン)とスティーヴしかいなかった。まだ曲を聴いていなかったから、曲を聴くために私とスティーヴが先にスタジオに入っていました。それから曲を聴いて、私は曲のパートをすぐに思いつきました。それで“Dumb”のために思いついたものを彼(カート)に聴かせたら、彼は“うん、いいね。このギター・ラインのために僕が弾いているものも反映してくれる?”と言った。チェロのチューニングを半音下げたかどうか覚えていないけど、カートは冗談めかして“ロックは全部Eなんだ。ただ、半音下げてチューニングしているから、少し違って聴こえるんだよ”と言っていた(笑)。私は、お金がなくてレコーディングを急がなければならないことに慣れていたから、この時もそういうメンタリティだったので、3テイクくらいして、やっと完成したとき、私は“ごめんなさい”と言うと、彼は笑っていました」

彼女はまた「All Apologies」と「Dumb」を初めて聴いたときのことも振り返っています。

「“Dumb”を聴いた後、カートが入ってきたときに、彼を見て“本当に美しい曲ね”と言いました。彼はそれを冗談だと思ったかもしれないけど、でも、“ありがとう”って感じだった。

“All Apologies”の面白いところは、スティーヴがチェロを入れるのを止めさせようとし続けたこと...それっておかしな話よね? 彼はチェロを入れるべきじゃないと何度も言っていた。私は嫌味を言っていたと思うし、“それがマルチトラック・レコーディングの楽しさよ。私は録音しておくから、嫌ならそれを除外すればいい”と言っていた。最終的にはカートと私が勝ったから、私はその曲を演奏することになったのよ。

一度だけ聴いて、それからいくつかアイデアが出て、いろいろやり始めたと思う。ジャム・パートはそのままで、私がただ演奏していただけ。その後、彼は低音の本当に深くてうなるようなディープなサウンドが気に入ったみたい。彼は“その音にずっと乗っていろ”って感じだったので、彼のためにその低い音を重ねてみた。それに、ノイズのパートも入れた。私はチェロでノイズを出すのも好き。最後に高い金切り音が聴けるけど、それは私よ」