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21年ぶりに再結集したトーキング・ヘッズ 生涯トーキング・ヘッズであること/この再結集が彼らをどこかへ導くのかについて語る

2023/09/22 17:37掲載
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Talking Heads 2023
Talking Heads 2023
21年ぶりに再結集したトーキング・ヘッズ(Talking Heads)の4人、デヴィッド・バーン(David Byrne)ティナ・ウェイマス(Tina Weymouth)クリス・フランツ(Chris Frantz)ジェリー・ハリスン(Jerry Harrison)は、コンサート・フィルム『ストップ・メイキング・センス(Stop Making Sense)』の4Kレストア版のプレミア上映とQ&Aセッションのあと、Pitchforkのインタビューに応じました。

インタビューでは、生涯トーキング・ヘッズであること、そしてこの予期せぬ再結集が彼らをどこかへ導くのかについて語っています。また映画にも登場するランプ・ダンスでランプをキャッチできなかったことはあったのかについても話しています。

Q:この映画の中で、ランプは明らかにとてもパワフルなものです。デヴィッド、あなたがランプをそらして、反対側に回り込んでキャッチするとき、私は“もしランプをキャッチできなかったら”と考えずにはいられませんでした。

デヴィッド・バーン:何度も落としたよ。顔を照らすのに十分な高さまで伸ばさないといけなかった。普通、フロアランプは椅子の横に置くものだから、それより少し低い。全体が曲がってしまうんだ。ステージにぶつかると、電球が割れる音がして、あまりよくなかった。

Q:それでどうなるんですか?ライヴはそのまま?

バーン:そうだね、そのまま続けるよ。スタッフが素早く掃除してくれることを願いつつ、ランプのダンスはできないから、即興で何か別のことを考えなければならないんだ。(新しい配給会社)A24には、腕にランプのタトゥーを入れている若者がいるんだよ。

ティナ・ウェイマス:まあ、それは献身的ね

Q:皆さんが揃うのは久しぶりですよね。デヴィッド、あなたは特に、あまり過去を振り返りたがらないところがありますよね。あなた方全員にとって、トーキング・ヘッズとの今の関係は? トーキング・ヘッズのことを自分自身はどのように捉えていますか? また、この映画のために一緒に仕事をするようになって、その関係は変わりましたか?

クリス・フランツ:僕は今もトーキング・ヘッズだと思っているよ

ウェイマス:私も。ジャーナリストが“元トーキング・ヘッズ”と言うのが嫌い。何を言っているの? (バンドをひとつの)個体としてではなく、グループとして認識するのは、ほとんどカルト的で、ちょっと変な感じ。でも、バンドにはよくあることね。

フランツ:トーキング・ヘッズは僕らの人生の中でとても大きな存在だった。(そこから)逃れることはできない

バーン:でもいい意味でね。新しい映像、新しいサウンド、新しい配給、その他もろもろで、この映画が再び公開されることが明らかになったとき、僕たちにどんな違いがあったとしても、それを脇に置いて、こう言った。“僕たちは本当にこの作品の価値を信じているし、それについては一致している。このことについてはみんな同じように感じているんだ”とね。

ジェリー・ハリスン:A24の功績も称えたい。アーティストが新しいレコード会社と契約すると、突然、レコードに携わるのは、これまでと同じ人たちだけでなくなる。新しいエネルギーが生まれるときだ。彼らは自分たちが何かをできることを証明しようとしている。そうなると僕たちにも負担がかかってくる。一緒に来て、手伝ってくれ、という感じだ。それで、僕らは(再び集まることを)OKしたと思う! 僕たちはその気になったんだ。

Q:あなたの作品のファンである私たちにとって、あなた方全員が同じ部屋でこの映画の宣伝をしているのを見るのは思いがけないことです。お聞きしたいのですが、この再結集によって、さらに何かが生まれる予感はありますか?

ウェイマス: 私たちはただこの瞬間を楽しんでいるだけです。40年も続くこの素晴らしい作品が生まれたことをとても嬉しく思っています。私たちはあまり先のことは考えていません。角に立っていて、バスに倒されるかもしれない。生きていて本当に良かった。この瞬間を楽しむためにに、私たち4人はここにいます。

ハリスン:でも、一緒に過ごしたときの喜びがよみがえるのは間違いない。僕たち一人一人が、この映画を見て、喜びを感じていると思う。僕たち4人だけでなく、ステージにいたみんな、そしてスタッフたちも。どれだけみんなを愛していたかという琴線に触れるのは確かだよ。

ウェイマス:私も大好きよ、ジェリー。

バーン:何年も前のことだけど、セント・ヴィンセントとツアーをしたとき、移動のバスに時々(スリーター・キニーのメンバーで、俳優や監督としても活躍する)キャリー・ブラウンスタインが乗った。ある時、彼女は電話のビデオを見て“シアトルの高校からで、学校の音楽プロジェクトなのよ”と言っていた。そこでは音楽のクラスと演劇のクラスが『ストップ・メイキング・センス』を最初から最後までやっていた。全部ね。すべては見たわけではないんだけど、“ああ、大変だ”と驚いたよ。