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鼻歌は健康に良い 研究者が理由を説明

2023/09/21 16:15掲載
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listening to music
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鼻歌は健康に良いという。ストレスを軽減し、呼吸を楽にし、鼻の病気にもつながる副鼻腔の問題を少なくし、血圧を下げ、気分を高揚させるなどの効果があるという。

オーストラリアのボンド大学博士研究員ジェマ・ペリーと、ボンド大学社会・デザイン学部教授ウィリアム・フォード・トンプソンは、サイトThe Conversationにて、鼻歌は健康に良いという理由を紹介しています。

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鼻歌を歌うとき、私たちは口を閉じて振動音を出します。声帯に空気を送り込み、振動させて音を出すのです。声帯の張力を調節することで、音程をコントロールすることもできます。

この振動が、副交感神経系の一部である迷走神経(実際には2つある)を刺激している能性が高いのです。この神経系は、心拍数、消化、呼吸などの身体機能を落ち着かせ、回復させるものです。

人はリラックスする方法としてよく鼻歌を歌います。すると、心拍数は減少し、心拍変動は増加するでしょう。心拍変動とは、各心拍間のわずかな時間のゆらぎのこと。心拍変動が大きいほど、健康状態が良好なのです。

鼻歌を歌うと、振動する音波が副鼻腔にも影響を与え、鼻の中の一酸化窒素レベル(濃度)が上昇する可能性があります。ある研究では、静かに息を吐く場合と比較して、鼻歌の場合は鼻の一酸化窒素が15倍に増加することがわかりました。一酸化窒素は、脳や免疫機能から肺への血流や性的興奮まで、あらゆることに関与しています。

別の研究では、アレルギー性鼻炎(花粉症やホコリアレルギーなど)の人を調べました。鼻歌を歌うと、鼻の一酸化窒素レベルが高くなり、静かに息を吐く人に比べて副鼻腔の問題が少なかったのです。

鼻歌はまた、思いがけない心理的効果ももたらします。例えば、身体への意識が高まったり、脱中心化(思考や感情を自分の中心から離れた所から心を広く開いて観察すること)が起こったりします。

ハミング(鼻歌)はチャンティング(詠唱、マントラを唱えること)でも重要な役割を果たします。チャンティングには、マインドフルネスなどの認知的効果や、フロー(ある活動に没頭し、深く集中する感覚)などの意識変容状態があります。また、チャンティングはストレスを軽減します。

鼻歌は健康に良いのか、さらなる研究が必要ですが、鼻歌は気持ちがいいし、気分を良くするし、退屈な作業から気をそらしてくれるし、精神的な修行にもなります。鼻歌を楽しみましょう!