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バディ・ガイ、ストラトをジョークだと思った理由/生活のためにレッカー車を運転していたこと/ソロについてB.B.キングから受けたアドバイス等を語る

2023/09/12 18:25掲載
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Buddy Guy
Buddy Guy
ブルースの生ける伝説、バディ・ガイ(Buddy Guy)は米Guitar World誌のインタビューの中で、ストラトキャスターをジョークだと思った理由、ブルースだけでは食べていけずに生活のためにレッカー車を運転していたこと、ギター・ソロについてB.B.キングから受けたアドバイス、過去に戻って変えたいと思うことなどを語っています。

「初めてストラトを見たとき、ジョークだと思ったんだ(笑)。ニューオーリンズに行ったとき、ギター・スリムがストラトを弾いているのを見たんだが、それをどう理解したらいいのか分からなかった。僕が弾いていたホロウボディ・ギターは、天候に左右されるから、大切に扱わなければならなかった。

濡れたら大変なことになる。膨張して壊れてしまう。そうなると修理に出さなきゃならないし、誰かが斧で切りつけたようなひどい傷だらけになってしまう。だから、天候に左右されないストラトに変えたんだ。それ以来、ずっとストラトを愛用している」

Q:1967年のデビュー・スタジオ・アルバム『Left My Blues in San Francisco』をレコーディングする前は、生活のために、まだレッカー車を運転していたというのは本当ですか?

「ああ、本当だよ。レッカー車の運転手をしていたのは、それが僕が稼げる唯一のことだったから。イギリスの連中がビッグになるまで、ブルースをやっても稼げなかった。彼らが僕らみんなから影響を受けていることが明らかになったのはその頃だった。クラブでプレイすることはあっても、他の黒人プレイヤーのようにヨーロッパに行ってお金を稼いで名を上げるようなことはしなかった。家族がいたから、そんなことはできなかった。

イギリスの連中がやってきて初めてブルースを演奏することがまっとうな生業になった。カレッジで演奏できるようになったのはそのときだ。それまでは、ギターを弾くだけでは十分に稼ぐことができなかった。だから、“家族を養うために昼間はこのレッカー車を運転しよう”と思ったんだよ。そして、週に7晩、ギターを弾いて小銭を稼いでいたんだ」

「名前は挙げないが、一緒にホットドッグを食べながら育った友人たちがいた。その後、彼らはヒット曲を手に入れると、まるで僕が誰なのかわからないようになった。彼らのところに行くと、まるで赤の他人のようだった。成功者がそんなことをするなんて知らなかったけど、僕は絶対にしないと誓ったんだ。

だから僕は今でも、昔ぶらぶらしていたバディ・ガイのままなんだ。違う人間になるつもりはない。ときどきみんなに“あんたはミスター・ガイか?”と聞かれることがある。僕は“いや、ミスター・ガイじゃない。バディと呼んでくれ”と言っているんだ。僕はずっと前に、独学でギターを覚えた、ただのギター弾きなんだ。君や他の誰よりもいい扱いをされたいなんて思ったことはない。今だってそうだ」

Q:ソロについて、あなたが心に留めている指針はありますか?

「B.B.キングはかつて僕に“二度と同じ演奏はしない”と言った。彼は“俺の演奏を聴きに来たら、前と同じ演奏を聴くことはない”と言っていた。バディ・ガイのライヴを聴きに来ても、僕が意図的に一音一音同じことをしようとするのを聴くことはない。同じ音に聴こえるかもしれないし、もしかしたら同じかもしれないが、やろうとは思わない。ヒット曲だろうが、誰も知らない曲だろうが関係ない。流れに身を任せて、正しいと思うことをやるんだ」

Q:過去に戻って変えたいと思うことはありますか?

「いや、何も変えないよ。僕が達成したことは何でも、後からついてきたように思える。でも、それでいいんだ。僕はいつも、自分のしていることにすべてを捧げる人間だ。僕に会いに来てくれれば、僕が持っている最高のものを手に入れられるとわかってもらえるはずだよ。

街で一番になったことがないし、僕より10倍うまいギタリストをたくさん見てきた。でも、僕は常にベストを尽くしてきた。僕が知っているのはそれだけだから。街で一番になりたいと思ったことはない。僕はただ、バディ・ガイができる最高の存在になりたかっただけなんだ」

Q:ツアーを引退することで一番恋しくなることは何ですか?

「いい音を出したとき、いい女たちが微笑みかけてくれるのを見ることができなくなることかな(笑)」