Spotify、自分の30秒曲を24時間繰り返し聴くことで毎月のロイヤリティを得ることができる「30秒トリック」説を否定
2023/09/12 15:55掲載
Spotify
Spotifyのトップは、ユーザーが自分でアップロードした30秒のトラックを24時間繰り返し聴くことで、毎月のロイヤリティを得ることができるという、一部で言われている「30秒トリック」説を否定しています。
この説は最初、英国の経済紙Financial Timesで報じられたもので、ニューヨークに本社を置く世界有数の総合金融サービス会社JPモルガンの金融アナリストは、Spotifyの加入者は自分の曲を24時間繰り返し聴くことで、月に1,200ドル(約18万円)を稼ぐことができると主張しています。この主張はSpotifyのロイヤリティ支払い構造が操作されている可能性を示唆していました。
しかし、Spotifyのダニエル・エク最高経営責任者(CEO)はSpotifyのロイヤリティ・システムはそのような仕組みではないと説明しています。SNSにこう投稿しています。
「もしそれが本当なら、私のプレイリストは“ダニエルの30秒ジャム”を繰り返すだけだ!でも、真面目な話、それは私たちのロイヤリティ・システムの仕組みとはまったく違います」
Financial Times紙によると、人工的なストリーミング(デバイスが選択した楽曲をループ再生すること)が音楽業界を阻害していると懸念されており、JPモルガンの幹部は、全ストリーミングの10%がフェイクであると推定しているという。
先週には、スウェーデンの新聞Svenska Dagbladetが、犯罪組織が麻薬取引で得た資金をマネーロンダリング(資金洗浄)するためにSpotifyのロイヤリティ・システムを利用していると報じていました。
Spotifyのウェブサイトによると、ロイヤリティは2段階あり、アーティストへは月に1回支払われますが、その額はさまざまです。「あなたが聞いたことがあるかもしれない話とは異なり、Spotifyは再生ごとやストリーミングごとのレートに従ってアーティストのロイヤリティを支払うわけではありません。アーティストが受け取るロイヤリティは、音楽がストリーミングされる方法の違いや、レーベルやディストリビューターとの契約の違いによって異なる場合があります」と説明しています。
ユニバーサル・ミュージック・グループとDeezerは最近、アーティストにより大きなロイヤリティをもたらすことを目的とした音楽ストリーミング・モデルを共同で立ち上げると発表しました。これはユーザーが積極的に音楽を聴くことを選択すれば、より多くの報酬が支払われることになるものです。SpotifyやApple Musicなどの他のストリーミングサービスに影響を与えるのか注目されています。