レディオヘッド(Radiohead)の
トム・ヨーク(Thom Yorke)は10代の頃、自分の声に不安を感じていたが、音楽雑誌にデモテープを送ったところ、「こいつは誰だ?ニール・ヤングにそっくりだ」と評されて、その後ヤングの音楽を知ったことで、自分の声に自信を持てるようになったという。『The Singers Talk』の中で明かしています。また、ヨークは好きなシンガーを5人挙げています。
『The Singers Talk - The Greatest Singers of Our Time Discuss the One Thing They’re Never Asked About: Their Voices』は、人気ヴォーカリストたちが、歌へのアプローチや、成功するヴォーカリストになるための努力、テクニックなどについて語る対談集で、米国ではPermuted Pressより発売中、英国では11月9日に出版予定です。
この本のトム・ヨーク編によると、学生時代に短期間ヴォーカル・レッスンを受けたにもかかわらず、ヨークは自分の声を「不快なほど高い、またはぎこちない」と思っていたという。その後、18歳のときに音楽雑誌にデモテープを送ったところ、「こいつは誰だ?ニール・ヤングにそっくりだ」と評されて、その後ヤングの音楽を知ったことで、自分の声に自信を持てるようになったという。ヨークはこう回想しています。
「“ニール・ヤングって誰だ?”。ニール・ヤングを聴いたこともなかったから『After the Gold Rush』を買って、“ワオ!こんな声でもいいんだ”と思ったんだ。彼は僕より少し高いけど、その声には柔らかさとナイーブさがあって、僕はいつもそれを隠そうとしていた。だから“ああ、隠さなくてもいいんだ”と思えたんだよ」
またジェフ・バックリーからも同じような影響を受けたという。
「セカンド・アルバム(『The Bends』)を作っていたとき、彼が亡くなる前にジェフ・バックリーに会いに行ったんだ。またしても“それでいいの?”と、隠すことを選んでいた自分の弱い部分を思い出させてくれたんだ。(レディオヘッドの楽曲)“Fake Plastic Trees”はまず自分ひとりでレコーディングしたんだ。それをみんなで聴いたとき、他のメンバーは“これを使おう!”と言ったんだけど、僕は“いやいや、これは使えない。脆弱すぎる。僕には耐えられない”と思ったんだ」
ヨークは8歳のときに初めてロック・スターになると宣言したとき、自分がバンドのフロントマンではなくギタリストになることを想像していたという。
「自分がマイクの前に立つような人間だとは思っていなかったから、いつも他の誰かがやっているだろうと予想していた。僕はクイーンに夢中だったけど、自分がフレディ・マーキュリーになるとは思っていなかった。僕の頭の中はいつもブライアン・メイだった。それが変わったのは、それをやってくれる人が他に見つからなかったからなんだよ」
ヨークは、生死を問わず、誰とデュエットしたいか?と尋ねられると「ジョン・レノン。ジョン・レノンとデュエットしたいね」と話しています。そして、他に好きなシンガーを聞かれ、エラ・フィッツジェラルド、ニーナ・シモン、スコット・ウォーカー、R.E.M.のマイケル・スタイプ、トム・ウェイツと答えています。