米ビルボード誌によると、米国第2位の音楽卸売業者であるIngram Entertainmentが、音楽部門の閉鎖を開始し、2023年末までに閉鎖する予定であるという。情報筋によると、すでに取引先に伝え始めているという。
情報筋によると、Ingram社の音楽事業の売上は年間約2億ドルにのぼるという。音楽以外にも、同社はビデオ卸売事業も閉鎖するとの情報もあるとのこと。
もし閉鎖されると、米国内には大手音楽卸売業者がAlliance EntertainmentとAll Media Supplyの2つしか残らないため、実店舗の小売業者の間では、Ingram社が突然閉鎖されれば、市場に混乱が生じるのではないかという心配の声も出ています。これについて情報筋は、段階的な閉鎖計画により、レーベルと店舗は市場の変化に対応できるようになると考えているという。
Luminateのデータによると、2022年のフィジカル・セールスは鈍化し、CDは11.6%減の3,590万枚、レコードは4.21%減の4,350万枚となりましたが、2023年に入ってCDは1.8%増の約2,330万枚と回復し、レコードも2023年8月31日に終わる週の時点で20.4%増の3,114万枚と再び急成長を遂げています。
レーベル関係者は米ビルボードに対し、Ingram社の事業は健全に見えたため、なぜ閉鎖するのか困惑していると語っています。