デヴィッド・バーンがお気に入りの音楽を紹介するプレイリスト企画　9月のテーマは「カヴァー曲」

デヴィッド・バーン（David Byrne）がお気に入りの音楽を毎月テーマを決めて紹介するプレイリスト企画『David Byrne Radio Presents』。9月のテーマは「カヴァー曲」。

以下、バーンのコメントより

「トーキング・ヘッズで最初にラジオで流れた曲は“Take Me To The River”で、アル・グリーンとティーニー・ホッジスの曲のカヴァーだった。みんな“Psycho Killer”が好きだったけど、本格的にオンエアされたのは2ndアルバムからの“Take Me To The River”だった（当時はほとんどの人がラジオで音楽を聴いていた）。僕たちはこの曲をとても気に入っていた。この曲は、ゴスペル（洗礼）と世俗的な愛が（僕たちから見て）奇妙に混ざり合っていて、おそらく未成年者の問題も含んでいる。トロッグスの曲や1910フルーツガム・カンパニーの曲など、他のカヴァーもやった。楽しかった！

この曲が僕たちのシングルになることについては、複雑な気持ちはあった。ラジオで流れるようになったことは嬉しかったけど、でも、レコード会社がカヴァーを選んだのは、典型的なやり方だと感じたんだ......彼らの考えでは、有名な曲のカヴァー・ヴァージョンをプッシュすれば、受け入れられる確率が上がるかもしれない（そして、それは正しかったかもしれない）。でも、それは僕たち自身のものではない楽曲で、僕たちが知られるようになるリスクもあった。自分たちの曲はたくさんあるのだから、その中から選べばいいのに。

当時、僕たちは知らなかったけど、その年に発売されたその曲のカヴァーは僕たちのヴァージョンだけではなかった。ブライアン・フェリーとフォガットも同じ年にこの曲のカヴァーを出していた（混乱に拍車をかけていた）。結局は悪い選択だったのかもしれない。でも、振り返ってみると、僕たちのが一番オリジナルと違っていたし、一番オンエアされたと思う。また、振り返ってみると、そのおかげでいくつかの扉が開かれ、最終的には自分たちの音楽もラジオでかけられるようになったように思う。

このプレイリストに収録されている曲の中には、僕たちのカヴァーのように、オリジナルとはかなり異なるヴァージョンで、それがカヴァーしたアーティストのブレイクに一役買っているものもある。アレサが“Respect”（元々はオーティス・レディングの曲）を歌ったり、シネイドが“Nothing Compares To You”を歌ったり。僕が思うに、ほとんどのカヴァーは、ラジオで流してもらおうという企みからではなく、誰かの曲に対する純粋な愛情からなされたものだ。ティーガン＆サラが“Girls Talk”を、ブランディ・カーライルが“Black Hole Sun”を歌うように、多くの場合、カヴァーは、自分の曲では見せにくいと感じている自分自身の一部をさらけ出す方法なんだ。カエターノが“Come As You Are”を、デス・キャブ・フォー・キューティが“Waterfalls”を歌ったりするなど、ファンにとっては驚きかもしれないが、そのアーティストが何を聴いているか分かる。また、大きな影響を受けたソングライターへのトリビュートや感謝の気持ちを込めることもできる。

お馴染みのヴァージョンもあれば、サプライズもあるよ！

-デヴィッド・バーン」

[song list]
Girls Talk Tegan and Sara
Alone Again, Naturally Vulfmon, Monica Martin & Hailey Niswanger
Trilhos Urbanos (Incidental Retirantes) Xande de Pilares
Come As You Are Caetano Veloso
I Don't Remember David Byrne
Fast Car Luke Combs
Black Boys on Mopeds The Nields
Rhinestone Cowboy (Film Version) Bruce Springsteen
Words of Love The Beatles
Godspeed James Blake
The King of Carrot Flowers. Pt. 1 Death Cab for Cutie
Fake Plastic Trees Holly Humberstone
Dancing in the Dark The Harmaleighs
Muito Romântico Xande de Pilares
Respect Aretha Franklin
Wrecking Ball Scars On 45
Under Pressure Karen O & Willie Nelson
Strangers Lucius
Valerie (feat. Amy Winehouse) Mark Ronson featuring Amy Winehouse
Slippery People The Staple Singers
Life On Mars? Seu Jorge
Nothing Compares 2 U Sinéad O'Connor
Superstar Sonic Youth
A Case of You Prince
Jolene The White Stripes
(You Make Me Feel Like) A Natural Woman Aretha Franklin
La Vie En Rose Grace Jones