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ベック・ボガート&アピスのボックスセットから73年日本公演のライヴ音源「Black Cat Moan」公開

2023/08/25 20:11掲載
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Beck, Bogert and Appice / LIVE IN JAPAN 1973 & LIVE IN LONDON 1974
Beck, Bogert and Appice / LIVE IN JAPAN 1973 & LIVE IN LONDON 1974
ジェフ・ベック(Jeff Beck)ティム・ボガート(Tim Bogert)カーマイン・アピス(Carmine Appice)によるスーパー・トリオ、ベック・ボガート&アピス(Beck, Bogert and Appice)。1973年の来日公演の模様を収録したライヴ・アルバム『LIVE IN JAPAN 1973』と、1974年のロンドン公演の模様を収録した未発表ライヴ・アルバム『LIVE IN LONDON 1974』をまとめたボックスセットから、1973年日本公演のライヴ音源「Black Cat Moan (Live at Koseinenkin Hall, Osaka, Japan 5/18 & 5/19, 1973)」公開




この作品は9月15日に全世界同時発売。

以下、リリース決定時のインフォメーションより

ジェフ・ベックと元ヴァニラ・ファッジ~カクタスのティム・ボガートとカーマイン・アピスという圧巻のリズム・セクションとが融合した、伝説的最強ロック・トリオ、ベック・ボガート&アピス。1972年から1974年の2年間のみというその短い活動期間は、まさに流星の如きまばゆいばかりの一瞬の輝きと時代を照らし続ける軌跡となって、音楽史に鮮烈な印象と共に刻み込まれている。

伝説的ギタリストであるジェフ・ベックは、今年1月に逝去する以前に、ドラマー/シンガーのカーマイン・アピス、そしてベーシスト/シンガーのティム・ボガートと1972年に結成した3人編成のスーパー・バンド、ベック・ボガート&アピス時代にレコーディングしていたライヴ音源を聴きなおしていた。1973年に日本で行われた2公演の模様を収録したライヴ音源と、その翌年に行われたロンドンでのバンド最後のパフォーマンスの一つとなる貴重なライヴ音源は、活動期間は短くも今もなお絶大な影響力を持つ彼ら3人が放つエネルギーの融合を見事に捉えたものだったのだ。

6月24日のジェフ・ベック79回目の誕生日を祝し、ATCO/Rhinoからベック・ボガート&アピスによる新たなボックス・セット、『ライヴ・イン・ジャパン1973/ライヴ・イン・ロンドン1974』がリリースされることが明らかとなった。9月15日に全世界同時発売となるこの作品は、4枚組CDと4枚組アナログ盤の2形態でのリリースが予定されており、4枚組CDは同日に輸入盤国内仕様の日本盤としてもリリースされることが予定されている。

この『ライヴ・イン・ジャパン1973/ライヴ・イン・ロンドン1974』は、バンド・メンバー3人も制作にかかわった作品であり、2023年に逝去したジェフ・ベック、そして2021年に逝去したティム・ボガートに捧げられた作品だ。このボックス・セットには、『ライヴ・イン・ジャパン1973』と『ライヴ・イン・ロンドン1974』を収録した4枚のディスクに加え、メモラビリアや貴重な写真、そして音楽ジャーナリストであり彼らのマネージャーでもあったブルース・ピラトーによる、バンドの歴史を詳細にまとめあげた長編ライナーノーツを掲載した豪華ブックレットやポスターのレプリカなどが同梱されている。

ジェフ・ベックのアーカイヴの中で約50年近く眠っていたオリジナル・マルチ・トラックをベースに、ジェフ・ベックとカーマイン・アピスが本ボックス・セット用にミックスを施したこのライヴ音源は、ベックが嫌悪感を示していた数々の低音質なブートレグ音源を一蹴するほどのクオリティを誇るサウンドとなっている。1973年5月18日と19日に、大阪にある厚生年金会館で開催されたライヴをレコーディングした音源は、来日公演から数か月後に日本限定でリリースされていたのだが、USでは今回が初の公式音源としてのリリースとなるものだ。また、1974年1月26日に開催されたロンドンのレインボー・シアターでのライヴ音源は、公式なライヴ・アルバムとして完全な形でリリースされるのは今回が初となる、非常に貴重な未発表ライヴ音源となっている。

このボックス・セットに同梱されているブックレットの中で、ブルース・ピラトーは、当時メロディ・メイカー誌から「クリームの遺伝子を受け継ぐ初めてのバンド」、そしてNME誌から「唯一無比の豪華さを体現したスーパー・バンド」と絶賛されたベック・ボガート&アピスというスーパー・グループの、短くも後世にまで語り継がれるその圧倒的存在感について詳細に語っている。
「3人がバンド結成について語り始めたその瞬間から、それがどれだけ偉大なものになるかは誰の目にも明らかだった。エリック・クラプトンやジミー・ペイジと同じくヤードバーズ出身のジェフ・ベックは、1967年に批評的にも商業的にも成功したバンドを立ち上げていた。そしてボガートとアピスは、ヴァニラ・ファッジとブルース・ロック・バンド、カクタスという両バンドの活躍を推進する情熱的なリズム・セクションとして名を馳せていた。1969年には何度か失敗もあったが、1972年のジェフ・ベック・グループのツアーの仕上げとしてティムとカーマインをバンドに迎え入れた時、音楽業界はこのスーパー・グループに対する期待で胸を膨らませたのだ」

1972年に行われたインタビューで、ジェフ・ベックはヴァニラ・ファッジのライヴを観て感動したことを語っている。「バンドとしてファッジにはポテンシャルを感じたけど、自分のプレイと共感できるものを見出せなかった。彼らがジャム・セッションをしている時、カーマインはファッジのスタイルとは別のものを持っていることに気がついたんだ。それはティムにも言えることだった。ティムはまるで火星から来たようなベース・プレイヤーだ。彼はまるでモータウン出身の火星人みたいなプレイをするんだ!」

『ライヴ・イン・ジャパン1973』は、ベック・ボガート&アピスのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムがリリースされたほんの数か月後にレコーディングされたライヴ音源だ。「迷信」や「レディー」、「リヴィン・アローン」といったデビュー・アルバムに収録されている楽曲のほぼ全てを網羅するパワフルなライヴ・パフォーマンスが、その剥き出しのエネルギーを音楽として放出するかのような圧巻の音源となって収録されているのだ。また、今作にはヤードバーズの楽曲「ジェフズ・ブギー」や、「モーニング・デュー」や「ゴーイング・ダウン」といったジェフ・ベック・グループの楽曲のトリオによるパフォーマンスも収録されている。

1973年のデビュー・アルバム・ツアーの後に、ボガートはイギリスの音楽誌に、BBAのハイ・エナジーな音楽に動揺しているファンがいると語った。「レイド・バックした雰囲気を期待していたファンの多くを俺たちは驚かせた…特に俺らの音楽は、ラウドで、露骨で、古き良き時代の音楽が好きなヤツらに向けたサウンドだからな。俺たちは粗野なバンドだ。オーディエンスのヤツらを焚きつけてやりたいんだ」。

『ライヴ・イン・ロンドン1974』は、日本公演の8ヶ月後、バンド解散直前にレコーディングされたライヴ音源だ。このロンドン公演で、彼らは「サティスファイド」や「ジズ・ウィズ」、「ソリッド・リフター」といった、二度と完成することがなかった幻のセカンド・スタジオ・アルバムに収録する予定だった楽曲をライヴで披露している。

バンド結成から50年が経過した今、カーマイン・アピスは当時を“あっという間の経験だった”と語っている。「当時は、アーティスティックな観点から多くのことを成し遂げることができたが、それはあまりにも早く終わった…、俺たち3人が一緒にプレイした事実は本当に素晴らしいことだ。ジェフ、ティム、そして俺は、共に物凄いバンドをやっていた。しかし、それに気づく前に、もう全ては終わってしまったんだ」


以下は以前に公開された音源

未発表ライヴ音源「Name the Missing Word (Prayin') (Live at the Rainbow Theatre, London, UK 1/26/74)」


未発表ライヴ音源「Superstition (Live at the Rainbow Theatre, London, UK 1/26/74)」


■ベック・ボガート&アピス
『ライヴ・イン・ジャパン1973/ライヴ・イン・ロンドン1974』

2023/9/15 世界同時発売

【収録曲】
CD 1: LIVE IN JAPAN 1973 (DISC 1)
01. Superstition / 迷信
02. Lose Myself With You / 君に首ったけ
03. Jeff's Boogie / ジェフズ・ブギー
04. Going Down / ゴーイング・ダウン
05. Boogie / ブギー
06. Morning Dew / モーニング・デュー

CD 2: LIVE IN JAPAN 1973 (DISC 2)
01. Sweet Sweet Surrender / スウィート・スウィート・サレンダー
02. Livin' Alone / リヴィン・アローン
03. I'm So Proud / アイム・ソー・プラウド
04. Lady / レディー
05. Black Cat Moan / 黒猫の叫び
06. Why Should I Care / ホワイ・シュッド・アイ・ケアー
07. Plynth / Shotgun (Medley) / プリンス/ショットガン(メドレー)

CD 3: LIVE IN LONDON 1974 (DISC 1)
01. Satisfied / サティスファイド
02. Livin' Alone / リヴィン・アローン
03. Laughin' Lady / ラフィン・レディー
04. Lady / レディー
05. Solid Lifter / ソリッド・リフター
06. Jizz Whizz / ジズ・フィズ

CD 4: LIVE IN LONDON 1974 (DISC 2)
01. Name the Missing Word (Prayin') / ネイム・ザ・ミッシング・ワード(プレイン)
02. (Get Ready) Your Lovemaker's Coming Home / (ゲット・レディ)ユア・ラヴメイカーズ・カミング・ホーム
03. Superstition / 迷信
04. Blues De Luxe / You Shook Me / ブルース・デラックス/ユー・シュック・ミー
05. (Rainbow) Boogie / (レインボー)ブギー