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ブラック・ミュージックのゴッドファーザー クラレンス・アヴァント死去

2023/08/15 00:53掲載(Last Update:2023/08/15 12:02)
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Clarence Avant in 'The Black Godfather' - Netflix
Clarence Avant in 'The Black Godfather' - Netflix
アーティストマネージャー、メンター、エグゼクティブ、レコード・レーベルのオーナーとして数十年にわたり先駆的活動を続け、“ブラック・ミュージックのゴッドファーザー”の称号を得た、クラレンス・アヴァント(Clarence Avant)が死去。家族の声明によると、クラレンスは8月13日にロサンゼルスの自宅で亡くなっています。92歳でした。

クラレンスの遺族は声明の中で「クラレンスはその革命的なビジネス・リーダーシップによって、音楽、エンターテインメント、政治、スポーツの世界で“ブラック・ゴッドファーザー”として親しまれるようになりました。クラレンスは世界を変え、これからも何世代にもわたって世界を変え続けるであろう、愛する家族と、多くの友人や仲間を残しました。彼のレガシーの喜びが、私たちの喪失の悲しみを和らげてくれます」と述べています。

クラレンス・アヴァントは1931年ノースカロライナ生まれ。50年代に音楽ビジネスの世界に入り、リトル・ウィリー・ジョン、サラ・ヴォーン、キム・ウェストン、トム・ウィルソンなどのマネージメントを手がけた。1967年から69年にかけてはベンチャー・レコードで働き、その後ロサンゼルスを拠点とするレーベル、サセックス・レコードを立ち上げ、当時無名だったビル・ウィザースをはじめ、ギタリストのデニス・コフィー、ロックバンドのギャラリーらと契約した。

1970年代、クラレンスはKAGM-FMを設立し、アメリカで最初の黒人所有のラジオ局のひとつとなった。1980年代にはマイケル・ジャクソンの初のソロ・ワールド・ツアーを共同プロモートし、1990年代にはモータウン・レコードの会長を務めた。

クラレンスはキャリアを通じて、クインシー・ジョーンズ、デヴィッド・ゲフィン、ジェイ・Z、ファレル・ウィリアムス、ライオネル・リッチー、ジミー・アイオヴィン、、ジミー・ジャム&テリー・ルイス、スヌープ・ドッグなど、複数のアーティスト、プロデューサー、業界幹部に助言を与えた。

2021年、クラレンスはロックの殿堂入りを果たし、アーメット・アーティガン賞を受賞した。ライオネル・リッチーは殿堂入りを祝したスピーチでクラレンスについて「彼は教師であり、コミュニケーションの達人であり、ストリート・センスと常識の完璧な融合者だ」と語っていた。

2019年にはクラレンスを描いたドキュメンタリー『ブラック・ゴッドファーザー: クラレンス・アヴァントの軌跡』が公開されている。