『バック・トゥ・ザ・フューチャー』　マーティ演奏の「ジョニー・B.グッド」を聴いてこの曲を着想したジョークをチャック・ベリーはどう思っていたのか？息子語る

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、1955年にタイムスリップした主人公のマーティ・マクフライ（マイケル・J・フォックス）が「ジョニー・B.グッド（Johnny B. Goode）」を演奏するシーンがあります。劇中では、それを聴いたマーヴィン・ベリーというギタリストが「新しい音楽を探していた」という従兄弟のチャック・ベリーに電話してマーティの演奏を聴かせています。チャック・ベリーは「ジョニー・B.グッド」を発売したのは作品の舞台から3年後の1958年でした。つまりチャック・ベリーは、未来からやってきたマーティの演奏を聴いてこの曲を着想した、というタイムパラドックスを絡めたジョークになっています。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はブロードウェイ・ミュージカル化されました。ミュージカル版でもマーティは「ジョニー・B.グッド」を演奏していますが、このマーヴィンがチャックに電話するシーンはカットされています。米ローリング・ストーン誌によると、チャック・ベリーの息子であるチャールズ・ベリー・ジュニアは、ミュージカル版から電話のジョーク・シーンがカットされたことは知らなかったと言う。

チャールズ・ベリー・ジュニアによると、チャック・ベリーも彼の家族も、電話のジョーク・シーンのことは誰も気にしておらず、盗用したという言いがかりを笑い飛ばしていたという。

「僕の考えではね、僕は事実を知っている。僕の家族も事実を知っているし、世界中が事実を知っている。これは映画だよ。誰も盗用などと考えていないし、パクリなどとも思っていない。実際、僕たちのスタンスは“素晴らしい！　30年近く経った今、映画になっている！”だったんだ。最高だよ」

40年経った今でも、チャールズ・ベリー・ジュニアは父親の架空の“従兄弟マーヴィン”についての質問に答えなければならないとも話しています。