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ザ・バンドのロビー・ロバートソンが死去

2023/08/10 09:24掲載(Last Update:2023/08/10 11:27)
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Robbie Robertson
Robbie Robertson
ザ・バンド(The Band)での活躍でも知られるロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)が死去。長い闘病生活の末、8月9日に亡くなっています。80歳でした。

ロバートソンの長年のマネージャーであるジャレッド・レヴィーンは、声明でこの悲報を伝えています。

「ロビーは、妻のジャネット、前妻のドミニク、彼女のパートナーのニコラス、子供のアレクサンドラ、セバスチャン、デルフィン、そしてデルフィンのパートナーのケニーを含む家族に囲まれて息を引き取りました。また遺族には孫のアンジェリカ、ドノヴァン、ドミニク、ガブリエル、セラフィナもいます。ロバートソンは最近、マーティン・スコセッシとの14作目の映画音楽プロジェクト『Killers of the Flower Moon』を完成させたばかりでした。献花の代わりに、遺族は新しいウッドランド文化センターを支援するため、グランド・リバーのシックス・ネーションズへの寄付をお願いしています」



ロビー・ロバートソンは1943年カナダ・オンタリオ州トロント生まれ。グランド・リバーのシックス・ネーションズ保護区に住むモホーク族の母方の家族から音楽を学んだ。

1958年、ロニー・ホーキンスのバック・バンドであるホークス(The Hawks)に加入。最初はベースギターを担当したが、2年後にリードギターに転向する。そのギタープレイは、ホーキンスをして「この子は天才だ!」と言わしめたほどの早熟ぶりであった。

ホークスはその後、1965年にボブ・ディランのバック・バンドとなり、その後、バンド名をザ・バンドと改名して1968年にデビューを果たす。ザ・バンドは、76年に活動を停止するまでに合計9枚の作品をリリース、世界中で人気を博した。特に75年の『Northern Lights - Southern Cross(邦題:南十字星)』はロビーの作品のみが収録され、ファンの間でも非常に人気が高い。バンドの代表曲には「The Weight」「The Night They Drove Old Dixie Down」「Up on Cripple Creek」などがある。

やがてバンド内に不穏な空気が流れ始め、5人はそれぞれの道を選択する。最後のライヴとなったウィンターランドでのコンサートは『ラスト・ワルツ(The Last Waltz)』とタイトルされ、ディラン、ニール・ヤング 、ジョニ・ミッチェル マディ・ウォーターズ、ドクター・ジョン 、ヴァン・モリソン 、リンゴ・スター、エリック・クラプトン、ニール・ダイヤモンドらが参加。ライヴ・レコーディングはもちろん、巨匠マーティン・スコセッシの手により、映画化もされ、音楽ドキュメンタリーの金字塔として広く知られている。

解散後、ピーター・ガブリエルやU2をゲストに迎えて、1986年にセルフタイトルのソロ・デビュー・アルバムをリリース。6作目にして最後のソロアルバム『Sinematic』は2019年にリリースされた。また、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、リンゴ・スター、坂本龍一などのアルバムにゲスト参加した。

ロバートソンは映画の世界にも進出。『ラスト・ワルツ』の後もスコセッシ監督と長期的な関係を保ち、『レイジング・ブル』、『カジノ』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『アイリッシュマン』などの映画に貢献した。2020年、スコセッシは主にロバートソンの証言に基づくザ・バンドについてのドキュメンタリー『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(原題:Once Were Brothers: Robbie Robertson and The Band)』を制作した。

ザ・バンドは1994年にロックの殿堂入り、1989年にはカナダ音楽の殿堂入りを果たし、2008年にはレコーディング・アカデミーから生涯功労賞を受賞した。