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著名なセッションベーシスト、マイケル・ジャクソンとのシュールなコラボを回想「彼はデスクの後ろに隠れていて、ボディーガードを通して指示を出していた」

2023/08/09 16:48掲載
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Michael Jackson
Michael Jackson
著名なセッション・ベーシスト、ガイ・プラットは1990年代、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のレコーディングに参加。指定された日にスタジオに行くが、マイケルはおらず、それが数日続く。その後、「マイケルがスタジオにいる」という連絡を受けて急いで行くが「マイケルは帰った」と言われる。しかし、その日はこれまでと違っていた。巨漢の男が、なぜかマイケルがベースの演奏に何を要求するかを正確に知っていてレコーディングを行うことができた。その巨漢の男はミキシング・デスクの後ろに隠れている誰かと話していた。マイケル・ジャクソンだった。マイケルはボディーガードを通してプラットに指示を出していた。

プラットはこのシュールなレコーディングをポットキャスト『VintageRock Pod』に出演した際、振り返っています。

プラットは1995年のアルバム『HIStory: Past, Present and Future, Book I』のベース・ラインをレコーディングすることになった経緯をこう話しています。

「マドンナのアルバムを作り、家に帰って、またLAに戻った。トイ・マチネーのプロジェクトをやって......ピンク・フロイドのツアーに戻るために、完成する前に帰らなきゃいけなかった......それから、ロビー・ロバートソンのアルバムを始めるために、LAにすぐ戻らなきゃいけなかった。めちゃくちゃ忙しかった。

で、ロビーのアルバムが始まって数週間経ったある日、(プロデューサーの)ビル・ボトレルから電話がかかってきて、“ガイ、マイケル・ジャクソンのセッションをやらないか?”と言われた。

僕は“えっ?”って感じで、彼は“6時か7時までに来てよ”と言っていた。僕は“でも、7時までには終わらないんだ。ロビーに聞いてみるよ”と言ったあと、ロビー・ロバートソンのところに行って、“ロビー、聞いてほしんだけど...今夜早く帰れる可能性はあるかな? マイケル・ジャクソンのセッションがあるんだ”と言うと、彼は“一体、俺にどうしろって言うんだ?”って感じだったよ(笑)。

(マイケル・ジャクソンの)セッションは、スタジオで僕とビルだけだった。どうやらマイケルは(マドンナの“Like a Prayer”でのプラットの仕事)を聴いていたらしく、あの雰囲気が欲しかったみたいなんだ。僕は“なるほど”と思った。僕は赤いスペクター(ギター)とオクターブ・ペダルを持ってきていて、“ああ、マイケル・ジャクソン(のレコーディング)に参加するんだ、エネルギッシュなグルーブになるだろうな...全力を尽くそう”と思ったよ。

でも、マイケルは現れなかった。翌日も来るように言われたけど、マイケルはいなかった...。このようなことが3回ほどあって、結局、僕は“ちょっといいかい! 彼が何を望んでいるか教えてくれれば、みんな家に帰れるんだよ!”となった。翌日、ビルから電話がかかってきて、“マイケルがスタジオにいる”と言われたので、急いでスタジオに行ったんだけど、マイケルはちょうど帰ってしまったと言われた...。

でも、(その日は)全然違っていた。ボディーガードに向いていそうなサモア人の巨漢の男がいた。彼はデスクの片隅にいて、僕はそこから先に進ことができなかった。僕が(マイケルのパートを)録音したら、その男がデスクの横に寄りかかってきて、“ええ、マイケルなら適切だと思うよ!”と言っていた。どういうわけか、彼はマイケルがベースの演奏に何を要求するかを正確に知っていた。

そのあと、その男がミキシング・デスクの後ろに隠れている誰かに話しかけていることが分かった。マイケル・ジャクソンなんだけど、直接会ったことはないんだ。マイケルはね、当時、人々から身を隠していた時期だった」