William Friedkin (c) GETTY IMAGES
『エクソシスト』『フレンチ・コネクション』などで知られる映画監督の
ウィリアム・フリードキン(William Friedkin)が死去。海外メディアによると、8月7日にロサンゼルスで亡くなっています。死因はまだ確認されていませんが、フリードキンは近年、健康上の問題を抱えていたと言われています。87歳でした。
フリードキンの最新作である、キーファー・サザーランド主演の映画『The Caine Mutiny Court-Martial』は8月30日から開催される<ベネチア国際映画祭>でプレミア上映されます。
フリードキンの妻であるシェリー・ランシングはBBCの取材に対して、涙ながらに「彼は素晴らしい人生を送りました。もうすぐ88歳で、新しい映画が公開されます。世界で最も素晴らしい夫でした。世界で最も素晴らしい父親でした。大きな素晴らしい人生でした。叶えられない夢はありませんでした」とコメントしています。
ウィリアム・フリードキンは1935年、ロシアによるユダヤ人虐殺からアメリカへ逃れた家庭で生まれる。
彼のキャリアは1960年代初頭に始まったが、最も顕著な成功を収めたのは1971年公開の『フレンチ・コネクション』である。アメリカン・ニューシネマの傑作とされているこの映画は、その年のアカデミー賞では作品賞を含む5部門に輝き、自身も監督賞を受賞した。
1973年に公開された『エクソシスト』は、悪魔に取り憑かれた12歳の少女の物語で、観客を恐怖に陥れ、魅了した。当時のニュースメディアは、観客が座席で失神したり嘔吐したり、震えて悲鳴を上げながら劇場を後にしたと報じた。この映画は全世界で5億ドルの興行収入を記録したと言われている。アカデミー賞では10部門にノミネートされ、2部門を受賞した。
1977年に公開された『恐怖の報酬』は推定予算2,200万ドルだったが、興行収入は600万ドルにとどまった。米メディアはこれを「大失敗作」と呼んだが、現在では再評価されている。その後も『クルージング』や『L.A.大捜査線/狼たちの街』『英雄の条件』『キラー・スナイパー』など物議をかもす作品を発表した。彼の幅広い映画製作のレガシーは、批評家にも観客にも愛され続けている。