ダフト・パンク(Daft Punk)がヘルメットをかぶった理由は? あのヘルメットは今どうなっているのか? そしてダフト・パンクを終わらせる決意をした理由について、メンバーの
トーマ・バンガルテル(Thomas Bangalter)が英BBC Radio 6 Musicの番組で話しています。
Q:ヘルメットをかぶった理由は?
「デトロイトにUnderground Resistanceという集団があったんだけど、そこがすごく好きで、レコードをかけたり、曲名やトラック名がわからないような音楽を聴いたりしていたんだ。 『Homework』の後、当時のマネージャーのペドロ・ウィンターはいつもジョークを飛ばしていて、写真撮影の少し前になると、トリックやパーティ用のマスクなどを売っている店に行って、適当なものを買ってきて、プラスチックのマスクやピエロのマスクなどで隠して楽しんでいたんだ。『Homework』のリリースされた頃、1年ほどそうしていたんだけど、ハリウッドの特殊効果技師たちに『スター・ウォーズ』のカンティーナの(酒場)シーンに出てくるようなロボットのようなものをやってもらったら面白いんじゃないかと思ったんだよ。奇妙なアイデアで、僕もGuy-Man(ギ=マニュエル・ド・オメン=クリスト/ダフト・パンクのもう一人のメンバー)も、SF映画から得られるようなアイデアをミックスするのは、とても奇妙なアイデアにしか思えなかったけど、キッスのメイクやレジデントの目など、想像上のキャラクターで遊ぶのは楽しいかもしれないと思ったんだ」
Q:あのマスクは倉庫の中にあるの?『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のラストで、大きな倉庫を開けると何百種類ものマスクやヘルメットがあるような感じですか?
「いろいろな世代があるから、中にはとても錆びているものもあるよ! だから、ああ、時間が経ったんだなと感じるんだ。かなり劣化してきたものもある。楽しい思い出だよ。このような冒険を始めて、このような物語を作り、フィクションと現実の境界線を曖昧にするのは楽しかった。ある意味、カメラなしで映画を監督するようなものだと感じていたからね。ある種の遊び心で、実際にパフォーマンスとかこんなに長く続くとは想像していなかった。25歳のときにそういうアイデアを思いついたとしても、“このままロボットの仮面を作って、死ぬまでロボットみたいな格好をしよう”とは言わないよ」
Q:なぜダフト・パンクを終わらせたのですか?
「フィクションと現実にはつながりがあって、僕たちがやったことはすべて、物語のさまざまな章だったんだ。そして、物語には始まりがあり、中間があり、終わりがある」
「僕とGuy-Manはロックンロールの歴史について非常に批判的だった。すべてのバンドが最終的に断絶し始め、老いていく。僕たちもそれから逃れることができるとは思っていなかった。ダフト・パンクを始めた時、僕は18歳で、ダフト・パンクを終えた時、僕は46歳だった。僕の人生にとって重要な部分だったけれど、振り返ってみて、あまり失敗しなかったと言えることにホッとしているし、嬉しく思っている。多くの規律と努力の賜物で、キャラクターもそうだし、すべてにおいてそうだ。確かに楽しかったよ。でも、これは物語やミニ・サーガのようなもので、人々の心の中に特別な場所を持っているテレビ番組や何かがあって、その場所を保ち続け、1シーズン、2シーズン、3シーズン、4シーズン、5シーズン、時には10シーズンも続くことがある。このように、始まり、中間、そして終わりを迎える機会があるのは、実に興味深いことだと思うね」