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米政府、海外ツアー・ミュージシャンのビザ値上げを延期

2023/07/16 21:12掲載
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United States of America
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ツアー・ミュージシャンに朗報です。米国市民権・移民局(USCIS)は、アメリカ国内をツアーする外国人ミュージシャンのビザ取得費用を3倍以上に引き上げるという以前の提案を延期することを発表しています。

対象となるOビザとPビザは、ツアーアーティスト、あるいはアメリカ国内での活動を望むアーティストが取得するものです。

2023年1月に発表された変更案では、米国に一時的に滞在するアーティストのためのPビザの申請は現在の460ドル(約6千円)から1,615ドル(約20万円)に、長期の就労ビザであるOビザは現在の460ドルから1,655ドル(約21万円)に引き上げられるというものでした。Pビザは251%、Oビザは260%の値上げです。

USCISは現在、少なくとも2024年3月まで料金の引き上げを延期することを選択し、料金の引き下げも検討しています。

この計画が2月に提案されたとき、多くの音楽コミュニティは反対を表明。USCISが開設したコメントページには、8,000件近い投稿が寄せられ、そのほぼすべてがこの計画に反対するものでした。

ライヴ・ミュージックに詳しいフロリダ州選出のマクスウェル・フロスト下院議員は、民主党議員のグループを率いて、USICSに撤回を求めました。「USCISが料金値上げ案を延期し、白紙に戻すという決断を下したことは、わが国の中小企業コミュニティと、地域経済の重要な一部である何十万人もの旅するアーティストを支援するための正しい行動です」とフロスト下院議員は語っています。

全米インディペンデント会場協会(NIVA)のスティーブン・パーカー事務局長はこう述べています。

「USCISが提案している海外からのパフォーマーのビザ料金の大幅な引き上げは、米国のインディペンデント・ライヴ・エンターテイメントに深刻な経済的・文化的脅威となっており、これはこれらのパフォーマーが我々のステージで果たす重要な役割を損なうものである。2023年に独立系ライヴハウス、フェスティバル、プロモーターを対象に行われた調査によると、平均的会場では、公演の4分の1以上を国際的な才能が占めており、ラテン音楽のプロモーターでは、公演の100%を国際的な才能を持つパフォーマーが占めることさえあることが明らかになっている。USCISがこの問題に関する最終的なルール作りを2024年3月まで延期するという決定を下したことを評価しつつも、NIVAは料金値上げ案を阻止するための活動を続けていきます」