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インドネシア・ジャワの伝統音楽「ガムラン」 本邦初の解説書『ガムラン入門 インドネシアのジャワガムランと舞踊』発売

2023/07/16 20:49掲載
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ガムラン入門 インドネシアのジャワガムランと舞踊
ガムラン入門 インドネシアのジャワガムランと舞踊
多様な金属製の楽器で合奏をする、西洋音楽とは全く違う、インドネシア・ジャワの伝統音楽「ガムラン」。本邦初の解説書『ガムラン入門 インドネシアのジャワガムランと舞踊』がスタイルノートから8月8日発売。

インドネシアのジャワガムランの総合入門書。そして、美しいジャワ舞踊の世界〜文化、歴史、楽器と奏法の紹介、踊りの基礎、用語解説〜を、豊富な写真等で丁寧に解説。
■『ガムラン入門 インドネシアのジャワガムランと舞踊』
東京音楽大学付属民族音楽研究所(編) / 木村 佳代(著) / 樋口 文子(著) / 針生 すぐり(著)
A5判  304頁 並製
価格 3,300円 (内消費税 300円)
ISBN978-4-7998-0203-8 C1073
書店発売予定日 2023年08月08日

<内容>

「楽譜が無くても合奏できる」「ドレミとは違う不思議な音律」「ずれていることが普通」…。
西洋音楽とは全く違う、ユニークな哲学を持ったインドネシアのジャワガムラン。
1889年にパリ万博で西洋に紹介されて以降、その豊かで深みのある音色、荘厳なアンサンブルが世界中から注目され、2021年にはユネスコ無形文化遺産にも登録。近年、その価値がますます見直されている。
そのガムランと、水のように流れる美しいジャワ舞踊の世界――文化、歴史、楽器と奏法の紹介、踊りの基礎、用語解説まで――を、豊富な写真やQRコードによる動画で丁寧に解説。
学生から社会人まで、のべ2500人以上もの受講生を輩出した、日本で一番ガムラン教育の盛んな東京音楽大学の講師だから書けた、読んで、見て、聴いて学べる本邦初の入門書、ついに誕生。

第1章 そもそもガムランとは?~東洋のユニークなアンサンブル
第2章 色々な楽器や歌の紹介 ~音楽的な“役割”ごとに~
第3章 さあ、合奏!入門編「マニャルセウ」
第4章 さあ、合奏!初級編「アスモロドノ」
第5章 ジャワ舞踊って何だろう ジャワ舞踊の現在・過去・未来
第6章 踊ってみよう!ジャワ舞踊

目次
第1章 そもそもガムランとは?~東洋のユニークなアンサンブル
 1 インドネシアの伝統音楽ガムラン
 2 歴史にみるガムラン
 3 ユニークな音律・音階
 4 シンプルな数字譜と形式~大事な拍はどこ?
 5 ずれる拍、伸び縮みする拍「イロモ」について~アレンジの妙

第2章 色々な楽器や歌の紹介 ~音楽的な“役割”ごとに~
 1 「節目(枠組)」を鳴らす楽器
 2 「基本の旋律」を鳴らす楽器
 3-1 「アレンジ(装飾)」をする楽器
 3-2 「アレンジ(装飾)」をする歌
 4 「テンポ」を指示する太鼓
 5 その他の楽器

第3章 さあ、合奏!入門編「マニャルセウ」
 1 まずは“基本の旋律”を叩いてみる
 2 ガムラン曲には“時報”がある!? 節目を示す楽器の奏法
 3 曲がおめかし!大・小ボナンの奏法(1)グンビャン奏
 4 合奏は自由飛行、だからこそルールが大事!
 5 2人で息を合わせて!大・小ボナンの奏法(2)インバルとスカラン

第4章 さあ、合奏!初級編「アスモロドノ」
 1 バルンガンと節目楽器を演奏しましょう
 2 “速さの段階”とは?―イロモ1とイロモ2
 3 ラドラン形式のクンダンとイロモの移行
 4 沸き立つリズム!舞踊伴奏風アレンジ

第5章 ジャワ舞踊って何だろう ジャワ舞踊の現在・過去・未来
 1 スラカルタ様式の舞踊の歴史
 2 踊りの特徴・タイプについて(女性舞踊・男性舞踊)
 3 踊りの種類

第6章 踊ってみよう!ジャワ舞踊
 1 女性舞踊
 2 男性舞踊(アルス・優形)

本場インドネシアの演奏家・舞踊家が語るジャワガムランの魅力
ジャワガムランと舞踊の用語集
ジャワガムラン CD ディスコグラフィー

コラム
 インドネシアの気候
 明け方から夜中まで~ジャワの食べ物
 夜のしじまのワヤン
 ジャワガムラン 癒しの秘密
 南国の生薬を絞った「ジャムゥ」を1杯!
 楽器が無くてもガムラン演奏!?
 百花繚乱!バティックの魅力

<前書きなど>
 この本は、東南アジアの国インドネシア・ジャワの伝統音楽「ガムラン」と「舞踊」について、初めての方にはできるだけわかりやすく、そして経験者の方にはより興味を持っていただけるよう、そんな願いを込めて作った本です。
 ガムランは、青銅などの金属製打楽器を中心に、太鼓や弦楽器、笛、そして歌が加わった合奏音楽です。単にインドネシアの古典芸術という枠を超えて、実は世界中に大きな影響を与えている稀有な音楽でもあります。
 たとえば、1889 年のパリ万博で初めてガムランが西洋に紹介されて以来、ドビュッシーやラヴェル、ジョン・ケージなど多くの作曲家がインスピレーションを得て新しい音楽を生み出しました。以降、アメリカやイギリス、オランダを始めとした世界中の音楽教育にガムランが取り入れられ、日本でも1970 年代から東京芸術大学で授業が始まり、現在ではいくつもの大学や民間における演奏グループが活動するほか、社会人講座もあちこちで開催されています。
 そうした世界への広がりや、ガムランが内包する哲学的な価値、人間と宇宙とのつながりを想起させる概念、さらにお互いを思いやる音楽のあり方などが認められて、2021 年12 月にはガムランがユネスコの無形文化遺産に登録されました。
 今や、ガムランは“古くて新しい音楽”です。なのに、いったいどんな音楽なのか?どんな楽器があってどのような背景を持つのか?どのようにして演奏するのか?一般にはほとんど知られていません。こうした疑問にお応えするのが、この本なのです。……(以下略)

<著者プロフィール>
東京音楽大学付属民族音楽研究所(トウキョウオンガクダイガクフゾクミンゾクオンガクケンキュウジョコウザ)
木村 佳代(キムラ カヨ)
東京音楽大学ガムラン講師。ガムラングループ・ランバンサリ代表。NPO法人日本ガムラン音楽振興会理事。神奈川県生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。在学中よりガムランをサプトノ氏に師事。2007年8月~2008年3月インドネシア国立芸術大学スラカルタ校に留学。1997~2001年度東京音楽大学付属民族音楽研究所研究員、2010 年より東京音楽大学講師としてガムランを指導。現在、ガムラン演奏家、指導者として活動中。共著に皆川厚一編『インドネシア芸能への招待』(東京堂出版)。
樋口 文子(ヒグチ フミコ)
東京音楽大学ガムラン講師。NPO 法人日本ガムラン音楽振興会理事。演奏家名は樋口なみ。東京都生まれ。東京音楽大学音楽教育科在学中に佐藤まり子女史よりガムランの手ほどきを受けた後、1988年より度々ジャワにて、ワキジョ氏、スバント氏ほか、数多くの著名な指導者、演奏家に師事。1997~2006年度東京音楽大学付属民族音楽研究所研究員、2010 年より東京音楽大学講師。近年は小中高校向け「オンライン・ガムラン教室」に積極的に取り組んでいる。
針生 すぐり(ハリウ スグリ)
東京音楽大学ジャワ舞踊講師。ガムランスタジオ音工場ジャワ舞踊講師。宮城県生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。在学中より田村史子氏に師事、スラカルタスタイルのジャワ舞踊を学ぶ。1997年~2000年、インドネシア国立芸術大学スラカルタ校舞踊科に留学。留学中同市の王宮(クラトン、マンクヌガラン両王家)にて宮廷舞踊を学び、帰国後、田村史子氏主宰のガムラングループ「カルティカ& クスモ」とともに公演などで活動。2001年より東京音楽大学講師としてジャワ舞踊を指導。2008年に結成したジャワ舞踊グループ「ラングンブクソ・さくら」のメンバーとしても活動中。