2018年8月に
アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)が亡くなったとき、彼女は数百万ドル相当の資産に対して遺言書を残さなかったと考えられていました。そのため、彼女の資産(家、車、毛皮、宝石類など)は4人の息子たちに均等に分配されることになっていました。しかし数カ月後、彼女の自宅のキャビネットとソファの下から、手書きの遺言書が見つかりました。アレサの息子たちは、この2つの遺言書をめぐって争っており、7月10日より、オークランド郡の遺言検認裁判所にて裁判が開始されています。
陪審員は、2つの文書のどちらをアレサの有効な遺言書として裁定すべきかを決定することになります。裁判は1週間以内に終わると見られています。
オークランド郡ミシガン州の遺言検認裁判所の6人の陪審員は、アレサの子供たち、姪のサブリナ・オーウェンズ、筆跡の専門家などの証人から話を聞く予定です。
7月10日、ジェニファー・キャラハン判事は、陪審員たちが下すべき唯一の決定は、2014年の文書を有効な遺言書として認めることができるかどうかであると述べています。
セオドア・ホワイト2世(アレサの3番目の子供で、元マネージャーとの間に生まれた)は、鍵のかかったキャビネットの中から見つかった2010年6月付の文書が本当の遺言書だと主張しています。
この11ページの文書には、彼は姪のサブリナとともに遺産の共同執行人または個人的代理人として記載されています。一方、アレサの次男と四男であるケカーフとエドワード・フランクリンについては、遺産相続の恩恵を受けたいのであれば「ビジネスクラスを受講し、資格や学位を取得する」ように求めています
ケカーフとエドワードは、ソファのクッションの下から見つかったノートに、2014年3月の日付で書かれていた文書が遺言書として優先されるべきだと主張しています。ケカーフは4ページにわたるこの文書で、セオドアに代わって遺産の共同執行人となっています。
2つの文書に違いはあるものの、どちらの文書でも息子たちはアレサの音楽と著作権から得た収入を分け合うことになるという。
2つの文書はいずれも手書きで、解読が難しく、文字がかすれたり、余白に注釈が入っていました。このような状態では、ほとんどの州で遺言書とは認められませんが、ミシガン州の法律では、他の条件を満たせば手書きの遺言書も認めています。
長男のクラレンス・フランクリンは、この争いには関与していません。彼はミシガン州の福祉施設に住んでおり、(意思能力が不十分な人に対して適用される保護制度)法定後見人の下にあります。後見人の弁護士は英BBCに対し、裁判には参加せず、「遺言争いの結果に関係なく、クラレンスに遺産の何割かを与えるという和解に達した」と述べています。
2018年に亡くなったとき、アレサの資産は8000万ドルと推定されていましたが、最近の評価と数年間の税金未納により、その金額は大幅に減少しました。裁判所に提出され、BBCが確認した財産目録によると、アレサの資産は600万ドル弱と評価されています。
【update:2023/07/12 09:29】
ミシガン州の遺言検認裁判所の6人の陪審員は、アレサ・フランクリンの死後、彼女のソファから見つかった2014年の文書を、彼女の数百万ドルの遺産に対する有効な遺言書であると裁定しました。この評決は、約5年にわたる家族内の法的争いに終止符を打つものです。