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サビのメロディが同じ3曲 ボン・ジョヴィ/ボニー・タイラー/エイバ・マックス その理由を作曲者語る

2023/06/29 17:49掲載
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Desmond Child and Jon Bon Jovi (Image credit: Gary Gershoff/Getty Images for Songwriters Hall Of Fame)
Desmond Child and Jon Bon Jovi (Image credit: Gary Gershoff/Getty Images for Songwriters Hall Of Fame)
ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)の「You Give Love a Bad Name」、ボニー・タイラー(Bonnie Tyler)の「If You Were a Woman (And I Was a Man)」、エイバ・マックス(Ava Max)の「Kings and Queens」はサビのメロディが同じとして有名。3曲の作曲にクレジットされているソングライターのデズモンド・チャイルド(Desmond Child)は、なぜ同じメロディが3曲に使われているのか、その理由をYouTubeチャンネル『Produce Like A Pro』のインタビューの中で説明しています。

すべての始まりは、プロデューサーでソングライター仲間のジム・スタインマンがチャイルドに電話をかけたことでした。スタインマンは、ボニー・タイラーのアルバム『Secret Dreams and Forbidden Fire』(1986年)のための曲を作っていました。

「彼は僕の“Lovers Again”という曲を聴いていた。ピアノとヴォーカルのデモだったんだけど、彼はその曲をアルバムに入れることを決めたんだ」

これがきっかけで、スタインマンはチャイルドに別の曲を書くように頼みました。

「彼は僕に“ティナ・ターナーのようなAメロで、ポリスのようなBメロ、ブルース・スプリングスティーンのようなサビを持つ曲を書いてくれ。できるかい?”と言った。僕は“できます”と答えた。“もうひとつ、男も女も両方とも関係があるものにしてくれ”。彼が言ったのはそれだけだった」

チャイルドはその挑戦に立ち向かい、「If You Were A Woman (And I Was A Man)」という曲を書きました。

「彼女(タイラー)はそれをシングル・カットし、ヨーロッパでは大ヒットし、ある地域ではトップにまでなったと思う。でも、ここアメリカでは誰も(※レコード会社など)何もしてくれなかった」「このサビはヒットすると思っていたので、ちょっとがっかりしたよ」

そしてチャイルドはボン・ジョヴィに出合います。

「ボン・ジョヴィに会った最初の日、僕は、とっておきのタイトルを持っていた。“You Give Love A Bad Name”。ジョンが僕を見上げて(微笑んだ)......」

「それから僕は“ボニー・タイラーのために書いた曲があるんだけど、このサビはヒット曲になると思うんだ”と言った。ボニー・タイラーの曲は(ボニー・タイラーの曲のシンセ・パートを口ずさみ)、ちょっと“Billie Jean”やユーリズミックスの“Sweet Dreams Are Made Of This”に似ていた。僕は“リッチー、これを弾いてよ”(チャイルドは“You Give Love A Bad Name”でフィーチャーされることになるギター・リフをハミングする)と言ったら、彼は“そんなのマイケル・ジャクソンみたいじゃないか、俺たちはロックバンドだよ”と言ったので、僕は“ギターでやって欲しいんだ”と言ったんだ」

出来上がった曲はスマッシュ・ヒットとなり、ボン・ジョヴィのサード・アルバム『Slippery When Wet』の主要曲となりました。

サビのメロディの物語はまだ続きます。

「話は現代に移って、エヴァ・マックスと彼女の9人のライター・チームが“Kings & Queens”という曲を思いついたんだ。彼女たちは僕のところに来て、“For You Give Love A Bad Name”を使用するライセンスを求めてきた。彼女たちは自分たちの曲が十分に違うものだと思っていたからね。僕は“いや、オリジナルの“If You Were A Woman (And I Was A Man)”を聴いてくれ”と言ったんだ。

彼女たちがオリジナルを聴いたことがあったかどうかはわからないけど、最終的に彼女たちをオリジナルへと引き戻し、それが“Kings & Queens”に使用された。その曲には共同作曲者として僕の名前もクレジットされているよ」