レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)の
アンソニー・キーディス(Anthony Kiedis)は、フロントマンとして40年間活動しているにもかかわらず、自分自身をミュージシャンと呼ぶことに抵抗があるという。バンドメイトの
フリー(Flea)との対談でアンソニーは自分自身をミュージシャンだとは思っていないと話し、対談中は2人とも涙ぐんでいたという。
フリーは、アーティストの芸術に対するアプローチや目標を探ることを目的としたポッドキャスト『This Little Light』を行っており、毎回さまざまなゲストを招いてインタビュー・対談をしています。
フリーは米ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューの中で、このポッドキャスト・シリーズの中でお気に入りのインタビューは何かと尋ねられてこう話しています。
「本当に良かったのは、アンソニーとのインタビューだね。彼とあんな話をしたことがなかったから、2人とも涙ぐんでいたよ。アンソニーは自分のことをミュージシャンだとは思っていないし、音楽教育を受けたことがあるとも思っていない。彼はよくバンド名を“バカと3人の天才”に変えるべきだと言っているんだ。みんな彼を見下すよね。エディ・ヴェダーはパヴァロッティみたいだけど、アンソニーとは響きが違うんだ」
アンソニーは才能あるシンガーだと思うかと訊かれたフリーは、こう答えています。
「彼は素晴らしいシンガーだと思う。彼は常に学び、上達している。バンドを始めたとき、彼は一音も歌えず、ただ叫ぶだけだった。今はメロディーがあるんだけど、それにこだわらない。流れるように即興で歌うんだ。カート・コバーン、ジム・モリソン、ロジャー・ダルトリー…僕は偉大なシンガーを知っている。でも僕にとって、どんなミュージシャンでも気になるのは、その人がその人らしく聴こえるかどうかということなんだ。アンソニー・キーディスのような音を出す人はいないよ」