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ティム・バートン(Tim Burton) 監督映画『バットマン』(1989年)の音楽は
プリンス(Prince) と
ダニー・エルフマン(Danny Elfman) が担当していますが、エルフマンは当初、プリンスとのコラボレーションを拒否して、この映画の作曲から手を引いていました。エルフマンは拒否した理由を含めて『バットマン』の音楽の舞台裏を『GQ』誌のインタビューの中で話しています。
「『バットマン』ほど大変な仕事はしたことがない」と振り返るエルフマン。
この時点ですでに『ビートルジュース』のサウンドトラックを手がけていましたが、彼はこう話しています。
「まず、自分自身を証明する必要があった。彼は風変わりでコメディの男で、そして今回はバットマン映画をやっている。当然のことながら、彼らはこういう音楽の作り方を知っている人が必要だと思っていた。でも、それがどんな音楽なのか誰も知らなかった。スーパーヒーローの音楽なんてなかった。『スーパーマン』だけだった。だから“ジョン・ウィリアムズがやった『スーパーマン』にはしたくない”と言った。それにスタジオのプロデューサーとはポップなスコアにしたいとも話していた」
そしてプリンスがこのプロジェクトに参加したとき、大きな争点となりました。彼はワーナー・ブラザースのアーティストとしてこの映画のサウンドトラックをプロデュースすることになり、エルフマンは映画のために音楽を書くことになりました。が、その後、プリンスの権限が作曲にも広げることができるのではないかという考えが持ち上がります。
「その瞬間は確かにあった。“ダニー、プリンスとコラボして音楽を共同で書いてほしいんだ”と言われた。僕は“それはできない”と言った。プリンスは大好きだけど、この作品ではダメだ。スコア(映画音楽)が何であるかはすでに知っていたし、もし僕が協力することになったら、彼は曲を書き、僕は彼の曲をオーケストレーションすることになる。僕は作曲家ではなく、単なるアレンジャーになってしまう。彼は世界的に有名で、僕はまだ無名だったから。僕は立ち去らなければならなかった」
「とても落ち込んだよ。自分のキャリアを台無しにしてしまったような気分だった。そして1ヵ月後に電話がかかってきて、こう言われた。“ダニー、復帰してくれ。さあ、やるぞ。早く、早く”。賭けは報われたけど、悲惨な期間だった。
その一方で、頭の中ではすでに音楽が聞こえていた。それが何であるかを知っていたし、それをスコアにしようと決めていた」
「プロデューサーのジョン・ピーターズは僕にとても厳しく、3回目のプレゼンだったと思う。僕はプレゼンテーションのやり方がわからなかったんだ。僕がストレンジな音楽を紹介していたら、ティムは“マーチを流せ、マーチを流せ”と言っていた。彼はタイトルをそう呼んでいた」
エルフマンは彼らにバットマンのテーマを聴かせます。
「僕がその音楽をかけると、ジョンは椅子に座ったまま指揮を始めた。そして、ある時点で彼は立ち上がり、ティムは僕を見て親指を立てた。“うん、やったよ”てね」
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