ピーター・フランプトン　ツアー復帰と今後について語る

ハンブル・パイ（Humble Pie）での活躍でも知られるピーター・フランプトン（Peter Frampton）は2022年にフェアウェル・ツアーを終えましたが、ツアーに復帰することを発表しており、米国で「Never Say Never（※何が起こるかは分からない、絶対なんてものはない）」ツアーを6月から8月にかけて開催します。

フランプトンは2019年、筋肉が徐々に弱っていく難病の「封入体筋炎（IBM: Inclusion body myositis）」であることを公表し、フェアウェル・ツアーを行うことを発表。当時はこれが本当に彼のツアー生活の終わりと考えられていました。その年の暮れ、彼は2020年にヨーロッパでのフェアウェル・ツアーを発表。このツアーはパンデミックのために延期されましたが、最終的には2022年に開催されました。ツアーの終盤では、封入体筋炎が悪化しギターを抱えて長時間立っていることは危険なため座って演奏していました。

フランプトンはUltimate Classic Rockの新しいインタビューの中で、ツアー復帰と今後について語っています。

Ｑ：これは、あなたが予想していたツアーではなかったはずです。昨年、あなたはフェアウェル・ツアーを終え、それで終わるはずでした。何が変わったんですか？

「辞めるのを辞めたからだね（笑）。ヨーロッパの後、僕は辞めた。2019年にフィナーレツアーをアメリカとカナダでやって、それが10月に終わって、2020年5月にヨーロッパに行く予定だったんだけど、（新型コロナウイルスのため）シャットダウンされてしまった。だから、11月にロイヤル・アルバート・ホールを目の前にするまでは、行けるとは思っていなかったんだ。それから、ヨーロッパで8回ほど公演をしたんだけど、それは素晴らしかった。その後、帰ってきて、招待客を招いて単発のテレビ番組をやった。そのとき思ったんだよ。“まだ演奏できるのなら、なぜ僕は家で座っているのだろう？”とね。正直なところ......（以前と）同じでない、手に力がない。だから、僕にとっては、演奏する一音一音がより重要で、この苦境のために、以前よりも一音に力を入れるようになったと思う。そして、時間は僕の味方ではないんだ」

Ｑ：難しい決断だったのでしょうか？

「以前に“まだトップでプレーできるうちに辞めたい”というような発言をしていたので、ファイナルツアーを決めた以前の方が難しい決断だった。その時はまだ、自分のゲームの頂点にいた。少し悪くなっていたけど、バンドからは“何を言っているんだ？違いに気づかないよ”と言われていた。アドリブのソロを公演中にずっとやっているようなものだった。悪いわけではない。ただ、演奏の仕方が違うだけなんだ。僕はチャレンジが大好きで、その方が楽しめる。とても不思議。どうして楽しくなるんだろう？わからないけど、まだプレイできるという事実を楽しんでいるんだ」

Ｑ：今回の公演では座って演奏するのでしょうか？

「うん、そうでなければならない。自宅やスタジオでは立って演奏することが多くて、ゴムマットの上に倒れることがあるんだよ（笑）。残念ながら、僕は演奏中に興奮しすぎて、足がすくんでしまうかもしれないからね」

Ｑ：ライヴではやったことのない曲も演奏されるそうですね。

「もうすぐ僕の初期作のレコードが3枚リリースされるんだ。最初のソロ・アルバム『Wind of Change』、2枚目の『Frampton's Camel』、そして4枚目の『Frampton』。そこで、何をしようと思ったかというと、キーボード奏者でバンドリーダーのロブ・アーサーと僕は一緒になって、すべてをリストアップした。『Frampton's Camel』『Frampton』『Live in Detroit』からいくつか選び、『I'm in You』や『Frampton Comes Alive』からも選んだ。だから、全部いろいろなものの寄せ集めなんだ。中には、熱狂的なファンが30年もの間、僕にやるように頼んできたものもあるから、心臓発作を起こす人たちがいるかもしれないね（笑）」

Ｑ：この後はどうするのですか？

「数年前から作曲に取り組んでいるんだけど、ほとんど全部自分で書いた初めてのアルバムになるんだ。1つか2つの共作があるんだけど、それはちょっと特別なものなんだ。僕はそれほど多作ではない。『Comes Alive』の素材を書くのに6年かかったんだよ。考えてみれば、今、3年目くらいなんだ（笑）。急ぐ必要はない！」