2022年12月に55歳で亡くなった、
プライマル・スクリーム(Primal Scream)や
フェルト(Felt)での活躍で知られるキーボーディストの
マーティン・ダフィ(Martin Duffy)。彼が亡くなる直前の状況が明らかにされ、英デイリー・メール紙が伝えています。
息子のルイによると、ダフィはアルコール依存症でした。また前立腺がんを患い、2021年に治療を受けていました。
「お父さんがうまくいかなくなったのは、(新型コロナウイルスに関連した)ロックダウンの時だった。ライヴがないため収入もなく、借金まみれになった。前立腺がんとも診断された」
プライマル・スクリームは2022年4月にバンドの作品群の権利をBMGに売却しましたが、ルイによると、ダフィは何十年もバンドに在籍していたにもかかわらず、自分は何も受け取っていないことを知り、ひどく動揺していたという。
プライマル・スクリームはロックダウン後にツアーを再開し、ダフィは2022年のグラストンベリー・フェスティバルでバンドと一緒に演奏し、その1週間後にはグラスゴーでも演奏しました。しかし、彼は飲み過ぎてステージ上で「ぐちゃぐちゃ」になってしまったため、翌朝にはバンド側から「ツアーを離れて助けを求めるように言われた」という。
ルイは「ツアーから強制退場させられた後、数週間のうちに父親が10歳も老けたのを見た」と振り返っています。
経済的な心配から、家を失うかもしれないという不安に駆られた彼は、断酒を目指し、アルコール依存症サービス「Change, Grow, Live」に登録しました。その後、バンドが治療の状況を尋ねたところ、彼はアルコール摂取量をかなり減らしましたが、まだ時々飲んでいると答えたという。ルイは「バンドは、彼が酒を止めない限り、仕事を取り戻すことはできないと言った」と述べています
ルイは「父はとても動揺していました。完全に打ちのめされているようだった。この後、彼は毎日、本当に大量に飲むようになった。僕は彼を止めることができなかった。恐ろしかった。こんな彼を見たのは初めてだった。連絡もとれなくなり、本当に心配になった」と当時を振り返っています。
ダフィは2022年12月15日、ワインを2本ほど飲んだ後、つまずき、後ろに倒れ、頭に致命的な傷を負いました。その後、イーストサセックス州ホーブにある自宅のキッチンの床に倒れているのを、様子を見に来たルイが発見しました。意識はありましたが、頭蓋骨を複数回骨折しており、出血していました。その後、ブライトンのロイヤルサセックス郡病院に運ばれ、治療を受けた後、集中治療室に移されました。しかし、彼の脳の損傷は「生存不可能」であり、12月18日に脳死が宣告され、生命維持装置が外されました。
ブライトン&ホーブの検視官補佐であるカレン・ヘンダーソン医師は、アルコール中毒による事故死という結論を出しています。