「Pop Muzik」のヒットで知られる、シンセポップ・ユニットのM。41年ぶりの新曲「Break the Silence」を6月23日にリリースします。
Mは、坂本龍一ともコラボレーションしたロビン・スコットによる音楽ユニットです。
英ガーディアン紙は新たに、1979年のヒット曲「Pop Muzik」の制作秘話を特集。その記事の中で、41年ぶりの新曲「Break the Silence」がリリースされることが発表されています。
以下、「Pop Muzik」特集のロビン・スコットのインタビューより
「僕はデヴィッド・ボウイのBeckenham Arts Labでシンガーソングライターとして活動していたが、パンクが起こり始めた頃、アートスクール時代の友人マルコム・マクラーレンと一緒に仕事をすることになった。パリでザ・スリッツのライヴ・レコーディングをしていたとき、ある人が僕に“自分で何かやってみたら?”と言った。僕はエンジニアに、スタジオに休止時間がないかどうか尋ねて、いくつかのアイデアを練ることができた。
ベースを弾いている僕の兄弟ジュリアンと、フランス人のキーボード奏者のウォリー・バダロウが飛び入り参加してくれた。ジュリアンにバスドラムとスネアを個別に録音してもらい、その後、ちゃんとしたドラマーが来てフィルを追加してくれた。バックヴォーカルのブリジット・ヴィンションとはパリのナイトクラブで知り合ったんだけど、彼女はフロアで最後に踊った人だった。アンドリューズ・シスターズのように“Pop, pop, pop muzik”と歌ってほしいと頼んだら、4部構成のハーモニーを1つずつ置いてくれた。リアルタイムで録音されたものはない。手間を惜しまず、順を追ってやっていった。僕は、ジョルジオ・モロダーのディスコ・ヒットのような分離したサウンドを追求していた。
Mという名前は、パリの地下鉄の標識に由来している。(スパイ・ドラマの)『0011ナポレオン・ソロ』を見て育った僕は、悪だくみが大好きだった。当時は1979年で、“Pop Muzik”は25年間のポップスへの一種のオマージュであると同時に、その使い捨ての性質に対するコメントでもあると考えていた。“ジャンピン・ジャックが手に入らない/ゲット・バックが欲しい(I can’t get Jumpin’ Jack / I wanna hold Get Back)”というのは、ローリング・ストーンズとビートルズへの言及だよ。Muzikのスペルは、エレベーター・ミュージック(※エレベーターや店内などで流されるような平凡で個性のない音楽)であるmuzakにちなんでいる。“New York, London, Paris, Munich”と歌ったのは、父が香水の出張販売員で“London. New York. Paris.”と書かれたボトルを持っていたからなんだ。