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ポール・マッカートニー 50周年を迎えた「Live and Let Die」について語る 今はボンド・ソングよりもライヴを連想する?にも回答

2023/06/02 17:25掲載
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Paul McCartney performs 'Live and Let Die'
Paul McCartney performs 'Live and Let Die'
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)が1973年公開の映画『007 死ぬのは奴らだ(原題:Live and Let Die)』のために制作したウイングス(Wings)による主題歌「Live and Let Die」が発売50周年を迎えました。ポールはこのアニヴァーサリーを記念して、自身の公式サイトで「Live and Let Die」について今はどう感じているのか話しています。また発売50周年を記念して、同曲のオリジナル・プロデューサー、ジョージ・マーティンの息子であるジャイルズ・マーティンとスティーヴ・オーチャードがリミックスを手掛けたドルビーアトモス音源がApple Musicで配信されています。

Q:今日、「Live and Let Die」の誕生から50周年を迎えました。発売から50年経った今、この曲についてどう感じているのでしょうか?

「信じられないよね。僕はまだ45歳なのに!僕は数えていないから、こういう記念日はいつも不思議なんだ。50年とか60年とか、そういうのは全然わからない。本当にショックだけど、いい意味でね。この曲が長く続いていて、みんなが楽しんでくれているのは嬉しいよ」

Q:この曲は今でもボンド・ソングとして考えていますか?それとも今はライヴをより連想するようになりましたか?

「両方だね。ボンドの曲を作るというのは、歴史的に重要なことだと感じている。このアイデアは、当時アップル・レコードを経営していたロン・キャスから提案されたんだ。彼は“ボンド映画(の主題歌)をやろうと考えたことはあるかい?”と言ったので、僕は“そうだね。でも、誰も頼んでいないよ!”と言った。それから、彼は映画のプロデューサーと話をして、戻ってきて『Live and Let Die』というタイトルを教えてくれたんだ。

僕はそのフレーズを聞いて考え始めた。普通は(英語のことわざである)“Live and Let Live(自分も生き、他人も生かせよ)”を思い浮かべるよね。で、その反対である“Live and Let Die”という言葉にたどり着くにはどうしたらいいかを考えた。ちょっとした難問だけど、短編小説をまとめるような感覚で楽しんだよ。映画の原作となる本を手に入れて読み、次の日に曲を作った。

それ以来、ライヴではこの曲を演奏しているし、大きな花火のような爆発で人々を驚かせている。今では大きなパフォーマンス作品だと考えているし、最初の一撃で人々に衝撃を与えることを楽しんでいるよ!だから、ボンド映画の枠を超えた新しい意味を持っているんだ」

Q:この曲がライヴでの花火に適していることは、以前からわかっていたのでしょうか?曲を作ったとき、そのことは頭にあったのでしょうか?

「いや、そうでもないんだ。映画のサウンドトラックに収録されるだけだろうと思っていた。でも、大きな観客の前でこの曲を演奏するようになってから、ちょっとクリエイティブになって、ボンド映画の爆発を思い浮かべたんだ。ボンド映画といえば、それだからね!そこで、花火師を呼んで、彼は驚くことに“シェイキー”と呼ばれているんだけど、一緒に作り上げたんだ。彼が爆発を演出してくれて、その後、照明担当者が来て、それに合わせた照明を追加し、舞台デザイナーが後ろに出てくる国会議事堂を爆破するようなフィルムを制作してくれた。その結果、ライヴの中でとても素晴らしい瞬間が生まれたんだ。

このような大きな爆発を加えることで、観客が飛び上がるような演出をすることができる。僕らバンドは最前列を見るのが好きなんだけど、今までライヴに来たことのない人たちがショックを受けているのを見ることができるんだよ! カップルであれば、お互いに顔を見合わせ、“なんてこった、今の見たか?”という感じで、僕たちを楽しませてくれるんだ」

Q:この曲のパフォーマンスで、特に印象に残っているものがあれば教えてください。

「OK! 爆発をやり始めた初期の頃、一番前に、かなり年配の女性がいた。90歳くらいかな。彼女はライヴをとても楽しんでいた。僕は“When you were young, and your heart was an open book(君がまだ若く、心は開かれた本のようだった頃)”と冒頭を歌い始めたんだけど、彼女を見て“ああ、神様! このままでは彼女を殺してしまう!どうしよう.....”と思いながら歌い続け、そしてついに“Say live and let die”までたどり着き......バーン! 爆発が起きた。僕は最悪の事態を予想して、おどおどと彼女を見たら、彼女は“イエーイ!”と喜んでいた。彼女はそれを楽しんでいた!僕たちは彼女を殺さず、興奮を与えたんだ!」