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クラフトワークはピンク・フロイドをライバル視していたのか?カール・バルトス語る

2023/06/01 15:41掲載
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Karl Bartos / The Sound of the Machine: My Life In Kraftwerk And Beyond
Karl Bartos / The Sound of the Machine: My Life In Kraftwerk And Beyond
クラフトワーク(Kraftwerk)ピンク・フロイド(Pink Floyd)をライバル視していたのか? クラフトワークに1975年から1990年まで在籍したカール・バルトス(Karl Bartos)は、回顧録『The Sound of the Machine: My Life In Kraftwerk And Beyond』の発売にあわたインタビューの中で語っています。これは英PROG誌133号に掲載されていたインタビューで、同誌のサイトが新たに公開しています。

Q:この本では、ピンク・フロイドについてかなり詳しく書かれていますね。クラフトワークは彼らをライバル視していたのでしょうか?

「そうでもない。ピンク・フロイドは驚異的なものだった。彼らは違う次元にいた。しかし、クラシック・ラインアップによる僕たちの可能性は、クラフトワークのデジタルな代替品が今日達成したものより、すでにはるかに大きなものだった。真の芸術的成功のためには、僕の元パートナーはエゴイズムを克服しなければならなかっただろうね。今では、僕たちの曲を書いたのは機械ではなかったことが明らかになってきている。僕たち、人間だったんだ。なんということだろう!(笑)

自伝の中で、僕はピンク・フロイドとの接点について話している。僕の観点では、リチャード・ライトのセットアップとキーボードの弾き方は、僕のかつてのパートナーにとって素晴らしいテンプレートだった。レイ・マンザレクも重要な人物だった。もっと深く掘り下げたいなら、ピンク・フロイドの作品を分析することだ。“On The Run”“Astronomy Domine”“Echoes”は、インスピレーション以上のものだったと言えるだろうね」

Q:クラフトワークは、過去60年間で最も影響力のあるグループの1つだと思いますが、いかがでしょうか?

「クラフトワークの発明は、まさにテクノロジーの美学化だった。僕たちはエッフェル塔を発明したわけではなく、それがどのように建てられたかを示しただけなんだ。クラフトワークの最も重要で見過ごされていることのひとつは、僕たちが地理や数学、音楽などを発明しなかったということ。文法は他の誰かが以前に発明しているものだが、ジャズドラマーやポップスドラマーが作ったリズムを、エレクトロニックな環境に置くと、何かが変わる。例えば、僕が無意識のうちに“Numbers”のビートを思いついたという話をしよう。

幼い頃、姉がステレオプレーヤーでかけていた曲を聴いていた。彼女はエルヴィス・プレスリーと、なぜかクリフ・リチャードにも恋をしていた(笑)。クリフにはシャドウズという本当にいいバンドがいて、ブライアン・ベネットといういいドラマーがいた。彼がイントロを担当した“Do You Want To Dance”という素晴らしい曲は、もともとボビー・フリーマンの曲だった。僕の潜在意識が、イギリスのドラマーによるこのシーケンスを“Numbers”に移し替えたんだよ。音楽とはそういうものだからね」