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マーカス・ミラー、ジャコ・パストリアスとの偶然の出会いを語る 「ホテルの部屋で電話が鳴った、ジャコからだった」

2023/05/25 18:44掲載
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Marcus Miller
Marcus Miller
マーカス・ミラー(Marcus Miller)ジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)との偶然の出会いを、Scott's BassLessonsの創設者であるScott Devineとのインタビューの中で話しています。

マーカスはロバータ・フラックのツアー中でした。サンセット・マーキス・ホテルに泊まったとき、彼の部屋の電話が鳴りました。

「ホテルの部屋で電話が鳴った、ジャコからだった。彼は“マーカス・ミラー、ジャコ・パストリアスだ。265号室にいるから、レッスンを受けに来てくれ!”と言っていた」

「自分はそれなりに良いプレイヤーだと思っていた」というマーカスはこう続けます。

「僕は“ジャコのレッスンなんて必要ない!”と思った......けど、すぐに265号室に向かったんだ! ジャコは僕のために演奏してくれた。そして彼は僕に演奏させた。彼は僕にホールトーンのリック(フレーズ)を見せてくれた、それは今でもウォームアップとして使っているよ。彼はかなり負けず嫌いな男だったけど、口には出さずに、彼と一緒にいるとカッコイイと思わせてくれる、クールな人だった」

多くの人が、マーカスとジャコはライバルで仲が悪いと思っていましたが、実際はそうではなく、2人は素晴らしい関係を築いていただけでなく、何度か一緒に演奏したこともあります。

マーカスは「僕がニューヨークでライヴしたとき、ジャコは僕のグループと一緒に座っていた。ある時、一晩中ジャムって、一緒に“Continuum”を演奏したこともある」と話しています。

マーカスは、ジャコとジョー・ザヴィヌル(Joe Zawinul)との関係についても回想しています。

「ジャコとジョー・ザヴィヌルは愛憎の関係にあった」「どうやら喧嘩して、ジャコがバンドを辞めたらしい。ジョーと親交のあったポーランド人のヴァイオリニスト、マイケル・ウルバニアクから電話がかかってきて“ジョー・ザヴィヌルがウェザー・リポートでベースを弾いてくれないかと言っているから、電話のそばにいてくれ”と言っていた。僕は彼に“彼は気が狂っているに違いない、ジャコの代わりにウェザー・リポートに参加することは、いつ殴り倒されておかしくない状態だ”と言った! だから、ジャコとザヴィヌルが仲直りするまで、電話から遠ざかっていたんだ」

1989年10月、マーカスはマイルス・デイヴィスと一緒に、2年前に亡くなったジャコに捧げる曲を録音しました。「Mr.Pastorius」というタイトルのこの曲は、アルバム『Amandla』の最後の曲としてリリースされました。

「あの曲を書いたとき、2つのタイトル候補があった。1つは“Mr.Pastorius”、もう1つは“Rain”。マイルスがジャコに捧げる曲を作る気がなかった場合に備えて、僕が作ったものだった。当時、マイルスがジャコについてどう思っていたのか、僕にはよくわからなかった。彼のことはあまり話をしなかったので。

マイルスは“Mr.Pastorius”を選んだけど、もし彼が納得しないなら別のタイトルを考えてもいいとも言った。マイルスは“いや、ジャコのためにこの名前をつけるのは本当に素敵だと思う”と言った。それで、この曲が、僕、そしてマイルスから生まれたものだと素直に感じることができたので、とてもいい気分だったよ」