Joe Perry - Photo:Ross Halfin
エアロスミス(Aerosmith) の
ジョー・ペリー(Joe Perry) は、英Kerrang!誌の企画で、ファンからの質問に答えています。ロックの究極の時代は?、10代のミュージシャンにアドバイス、ツアーでフルで演奏したいアルバムは?、『ウェインズ・ワールド』出演、もし音楽の道に進んでいなかったら今は何をしている?、他に成し遂げたいことは?など。
Q:エアロスミスのデビュー・アルバムから今年で50周年です。50年以上にわたってロックしてきたあなたにとって、ロックの究極の時代とはいつだったと思いますか?
「60年代と70年代だと思う。あの時代は、毎日がロックンロールの最前線だった。ステージでどう演奏するかで、生きるか死ぬかが決まっていた。ヒットチャートのトップになるようなシングルを出しても、ライヴでいい演奏ができなければ、他のバンドに先を越されてしまう。他にもたくさんのバンドがいたからね。ザ・フーやレッド・ツェッペリンなど、クラシック・ロックの根幹をなすバンドがまだ劇場やクラブで演奏していた時代で、同じポスターに登場するバンドの間で競争があった。地に足をつけて、ファンの前に立ち、成果を出すことが重要だったんだ。
また、エレキギターが現在のようなものに発展しつつあった時期でもあった。ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックス、ジミー・ペイジのような人たちが、クリーンなサウンドを出すために作られたこの楽器を、より大きく、より歪ませながら、その存在をアピールしていた。アルバムやパフォーマンスのたびに、彼らはそれまで聴いたことのないようなサウンドを出していたんだ」
Q:私はボストン出身の10代のミュージシャンです。今、かつて自分がいた場所にいる人に何かアドバイスはありますか?
「曲とライヴでのプレゼンテーションが全てだ。自分でコントロールできるのはそれくらいしかない。100万ドルの予算でバンドを始めることもできるけど、いくらお金を積んでも、それでは自分の曲を好きになってくれる人はいない。作曲とパフォーマンスによってのみ、聴衆の反応をコントロールすることができるんだ。それが、昔も今も変わらない焦点であり、最も重要なのは、人々を興奮させ、また聴きたいと思わせるような音楽を作ること。楽器演奏のテクニックではない。人々が好きなものを提供することなんだ。そして、できるだけ外に出てライヴをすることだ!」
Q:ツアーでフルで演奏したいアルバムはありますか?
「一番近かったのは、『Toys(In The Attic)』を前から後ろまでやったことだね。でも、ライヴで何度かやってみたら、ライヴのエネルギーを維持するためには何曲か減らさなければならないことに気がついた。僕にとっては刺激的なものではなかったんだ。“あのアルバムがフルで演奏されるのを見たい”と言うよりも、“この曲を聴きたい”と思ってもらえるような曲は他にもあるはず。いつ演奏しても、その観客の前で演奏できるのは一度きりだと考えなければならない。いつ戻ってこられるかわからないからね」
Q: 『ウェインズ・ワールド』に出演した時はどんな感じでした?
「“スタジオに入って曲を作り、ツアーに出て曲を演奏する”という、いつもの日常から外れているので、ああいうことをするのは、とても楽しかったよ。『ウェインズ・ワールド』の出演は特別なことだった。『サタデー・ナイト・ライブ』でオリジナルの寸劇をやることになったとき、それが映画につながるとは思ってもみなかった。テレビでしか見たことのない人たちに会えて、とても楽しかったよ!
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Q: もし音楽の道に進んでいなかったら、今は何をしていると思いますか?
「わからないね! その辺りの選択肢はあまりなかった。僕はアメリカの一世で、祖父母はみんなイタリアとポルトガルから渡ってきた。僕の家では、少しでも反抗的な態度をすれば、それは許されることではなかった。だから、17歳か18歳のときに、初めて弾けるギターを手に入れるのには苦労したよ。何年か働いたことがあるけど、工場で働くのは絶対に嫌だった。もともと自然や海に興味があったから、調査船でデッキを掃除するとか、そういう道もあったかもしれないね。ロックンロールで頭を殴られるまでは、そうするつもりだったんだ!」
Q: Guitar Heroのための再録音をレコードでリリースしてくれませんか?
「突拍子もない質問だね! 分からないが、メモをとって仲間に話してみるつもりだよ。これは本当に興味深いものだね。新しいアルバムを作ろうという話になっているんだけど、エアロスミスの作品には、まだ未発見のヴァージョンがたくさんある。アーカイブ、ライヴ録音など、今、僕たちがチェックいるものはたくさんある。思い出させてくれてありがとう!」
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Q: ギターヒーローの地位を確立して久しいですが、他に成し遂げるべきことはあるのでしょうか?やり残したことはないのでしょうか?
「ギターヒーローと呼ばれるのはありがたいけど、実際には、ステージ側に偶然居合わせたファンの一人に過ぎないんだよ。僕はエレキギターの進化にとても興味がある。自宅の地下室には、50年代に使われていたものを再現しようとする試作品のスピーカーやアンプがたくさんある。基本的で素朴なサウンドを再現しようとすると、どう演奏するかで大きく左右される。エフェクトやディストーション、コンプレッションをかければかけるほど、実際のギターの音は重要ではなくなる。次に僕の演奏を見に来る人は、その(研究の)おかげで違いに気がつくと思う。ステージで何をするかが重要なんだ。結局のところ、次のライヴがあればそれでいいんだけどね」