NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)を代表するバンドのひとつ、
タンク(TANK)の創設メンバーであるヴォーカリスト/ベーシストのアルジー・ワード(Algy Ward)が死去。
タンクの作品をリリースしたこともある日本のレーベルSPIRITUAL BEASTなどが5月17日に入院中の病院で亡くなったことをSNSで伝えています。63歳でした。
アルジー・ワードことアラスデア・マッキー“アルジー”ワード(Alasdair Mackie "Algy" Ward)は1959年7月生まれ。
アルジーが最初に有名になったのは、オーストラリアのパンク・ロックバンド、
ザ・セインツ(The Saints)に加入した時だった(1977年)。1978年のセカンドアルバム『Eternally Yours』とサードアルバム『Prefistoric Sounds』で演奏した。
セインツ解散後、アルジーは英国のパンクバンド、
ザ・ダムド(The Damned)に加入。ダムドは1979年にカムバックアルバム『Machine Gun Etiquette』をレコーディングし、同年にリリースした。アルジーはこのアルバムの全曲に参加し、アルバム発売後、しばらくはバンドで演奏したが、1980年に解雇された。
アルジーはモーターヘッドに多大な影響とインスピレーションを受け、ピーター(G)、マーク(Ds)のブラブス兄弟と共にタンクを結成。モーターヘッドの弟分バンドとして人気を博した。1987年、5枚目のアルバム『Tank』をリリースした後、音楽的な方向性をめぐる論争や商業的な成功を収めることができなくなり、1989年にバンドは解散した。
アルジーは、1997年にタンクを再結成させライヴ・ツアーを再開。1999年8月には初来日を果たした。2002年には15年ぶりのスタジオ・アルバム『Still At War』を発表したが、2006年にバンドは再び解散した。
2008年、ミック・タッカーとクリフ・エヴァンスを中心とする新しいタンクが活動を開始する。アルジーはこの新しいタンクに対抗して、自身もタンク名義で活動を開始する。これにより、タンクは以降、「Tucker/Evans Tank」「Algy Ward's Tank」と呼ばれる2つのバンドが存在することになった。アルジーのタンクは2013年に『Breath of the Pit』、2016年に『Sturmpanzer』というアルバムをリリースした。