マイケルが初めてムーンウォークを披露した『モータウン25周年記念公演』　プロデューサーがある決断をするまで除外されるところだった　舞台裏を語る

マイケル・ジャクソン（Michael Jackson）が初めてムーンウォークを披露したのは、1983年5月の『モータウン25周年記念コンサート』での「Billie Jean」の間奏でした。ポップカルチャーに忘れられない衝撃を与えたパフォーマンスですが、このコンサート／番組のプロデューサーがある決断をするまで、この曲の演奏は除外されるところでした。

1983年5月16日に米国で放送された『モータウン25周年コンサート（Motown 25: Yesterday, Today, Forever）』は、長年にわたっていくつもの歴史的瞬間の演出を手がけてきた、米国の大物テレビプロデューサー／ディレクターのドン・ミッシャーがプロデュースと監督を務めました。

そのミッシャーが、米Yahoo Entertainmentの新しいインタビューの中で当時の舞台裏を語っています。

『モータウン25周年コンサート』はレーベルの大ヒット曲を紹介することを目的としていたため、ミッシャーとエグゼクティブ・プロデューサーのスザンヌ・ド・パッシーは当初、すべてのアーティスト（マーヴィン・ゲイからテンプテーションズ、ダイアナ・ロスまで）が新曲を披露することを禁止していました。しかし、マイケルは「Billie Jean」という新曲を披露したいと言い出し、反発していました。

ミッシャーは、その時の緊張感をこう振り返っています。

「マイケルに新曲をやらせたら、月曜日にかかってくるマーヴィン・ゲイからの“なぜマイケルに新曲をやらせて、私は新曲をやれないんだ”という電話を誰が受け止めるんだ？」

しかし、その微妙な政治の駆け引きは、ミッシャーがマイケルの「Billie Jean」のリハーサルを目撃したことでひっくり返りました。

「リンダ・ロンシュタット、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロスがいたと思うけど、基本的にその場には誰もいなかった。私たちは初めて“Billie Jean”を観た。帽子、靴下、ムーンウォーク、そのすべてが終わった後、これは信じられないほど特別なものだと思ったんだよ」

ミッシャーとド・パッシーは結局、マイケルに「Billie Jean」を披露させることにし、ミシャーは月曜日に、おそらくは苛立っているだろうマーヴィン・ゲイからの電話を受けることを志願しました。

コンサート終了から数週間後、ミッシャーはコンサートの編集を始めました。マイケルは彼のもとを訪れ、自分のパフォーマンスのどのようなショットが欲しいかを決定しました。

「彼は、自分が求めているもの、自分がどう描かれたいかについて、非常に明確なクリエイティブな考えを持っていた。時には意見が合わないこともあったが、しかし、私はいつも彼に従った。彼の判断を信頼していたからね」

マイケルはステージ上では圧倒的な存在感を放っていましたが、ミッシャーの編集室では正反対だったという。

「彼はいつも静かだった......とても静かで内気な人間だった。彼は部屋に入ってくると、隅っこに行ってしまうんだ。そして、人々にささやくように話すんだよ。（でも）ステージに上がると、まるで将軍のようだった」

最終的に、マイケルは『モータウン25周年コンサート』に満足したようで、ミッシャーは放送後、「魔法の瞬間をありがとう」と書かれたサイン入りの写真をもらったという。

放送から数日後、ミッシャーはナンシー・レーガンのインタビューを撮影するためにホワイトハウスにいました。

「（ホテルの）エレベーターを降りると、みんながマイケルのことを話している。ホワイトハウスに向かうタクシーの中でも、みんながマイケルのことを話していた。（ホワイトハウスの）東棟でも...みんなが話題にしているのはモータウン25とマイケルだった。

こういうことをしたとき、人々がどう反応するかわからないけど、あの朝のワシントンでは・・・“この番組は本当にすごいインパクトを与えたんだ”と自分に言い聞かせたんだよ」