ある英国人ミュージシャンは、区から自宅で楽器を演奏することを禁じられ、もし違反した場合は、楽器をすべて没収され、5000ポンド(約85万円)の罰金を払わなくてはならないのはおかしいと、この措置に抗議する請願キャンペーンを行っています。
ロンドン南部のルイシャム区に住む、チェンバーポップのマルチインストゥルメンタリストであるフィオナ・フェイは、請願サイトchange.orgにて、こう訴えています。
「先週、私はルイシャム区から、いかなるときも自宅で楽器を演奏することを禁じる騒音防止通告を受けました。私は音楽家であり、練習するのが仕事です。もし私が演奏したら、ルイシャム区は強制的に立ち入り、私の楽器をすべて没収し、5000ポンドの罰金を科すことができます」
フェイは、練習していた時間は早朝でも深夜でもなく、午前11時から午後3時までの間で、歌やギター、ロー・ホイッスルなどを70~80dbという「会話程度の音量」で練習していたと主張しています。
「ルイシャム区の環境衛生責任者(EHO)は、音量や時間帯は関係なく、他の人に聞こえるような音楽のノイズはすべて迷惑行為に分類されると言っている。
EHOは、テレビやラジオは“生活騒音”だが、楽器の演奏は“生活騒音”ではないと言っていた。一体なぜ楽器の演奏は生活騒音とみなされないのか? 音楽で生計を立てている人たちだけでなく、これを単に楽しみや自己表現、リラクゼーションのひとつとしてやっている人もいるわけで、これを保護することはとても重要です。
ルイシャム区はまた、反対側の隣人が騒音レベルは全く問題ないと言っていたこと、苦情を言った隣人がドアを閉めれば私の声が聞こえないことを認めていたことも考慮に入れていない。
騒音の軽減は訴えることができますが、お金がかかり、時間がかかり、“迷惑”を反証するのは難しく(特に、苦情を言っている隣人の土地にアクセスして音のレベルを測定するのは)、その間は練習することはできません。私は、時間とお金をかけて争うより、引っ越すことを選びましたが、このような状況に追い込まれる必要はなかったはずです。
騒音に関する法律は非常に曖昧で、EHOに自由なガイドラインを与え、偏見に基づいて行動し、その権力を乱用することができるのです。
EHOは、法定迷惑行為に関する法律を誤って解釈するようになりました。法定迷惑行為は、犬小屋、カーレース場、ナイトクラブの隣に住む人などの問題を扱うためのもので、家庭内での音楽演奏を意味するものではなかったはず。
このようなことが続かないように、音楽練習をめぐる法律をもっと明確にすることはできないのでしょうか?」
■change.org内 嘆願書ページ
https://www.change.org