60年代後半のブラジルで起こった芸術ムーブメント、トロピカリアを代表するバンドである、ブラジルのサイケデリック・ロック・バンド、
ムタンチス(Os Mutantes)の創設メンバーで、ブラジルのロックの女王として知られる
ヒタ・リー(Rita Lee)が死去。家族が発表。声明によると、5月8日の夜にサンパウロの自宅で「家族全員の愛に包まれて」亡くなっています。死因は明らかにされていませんが、リーは2021年に肺がんと診断されていました。75歳でした。
ヒタ・リーはサンパウロ生まれ、アメリカ人の父とブラジル人の母の間に生まれる。リーは1966年、アルナルド・バチスタとセルジオ・ヂアスの兄弟とともにムタンチスを結成した。2年後の68年、ファースト・アルバム『Os Mutantes』を発表。同時期には、カエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジルらと共にトロピカリア・ムーヴメントを代表するコラボレーション・アルバム『Tropicália ou Panis et Circencis』にも参加し、ブラジルのトロピカリア・ムーブメントを代表する存在となった。
ファースト・アルバムは「当時の英米の一流サイケデリック・バンドが制作したどのアルバムよりも、ずっと実験的な内容」(allmusic.com)などと評された。
ムタンチスは、ブラジルから最も愛されるグループのひとつとなり、その影響は現代のアメリカンロックにも及んでいる。カート・コバーン、デヴィッド・バーン、オブ・モントリオール、フリーなど、多くの人たちがムタンチスに重要な影響を受けたと述べている。
リーは1972年にムタンチスを脱退。リーは1970年に最初のソロ・アルバム『Build Up』を発表し、その後20枚以上のアルバムを発表した。最後のソロアルバムは2012年の『Reza』だった。同じ年、ライヴ活動からの引退を表明した。彼女は60年のキャリアで世界中で5500万枚以上のレコードを販売した。