Ed Sheeran - Photo by Dan Martensen
エド・シーラン(Ed Sheeran)の「Thinking Out Loud」が
マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の「Let's Get It On」を盗作したかどうかをめぐる訴訟で、米ニューヨークの連邦地裁は、盗作には当たらないとする判断を下しました。
この訴訟は、「Let's Get It On」の共同作曲者であるエド・タウンゼントの資産管理団体が起こしたもので、シーランがステージで「Thinking Out Loud」と「Let's Get It On」の2曲のマッシュアップを披露したことは盗作の「自白」だと主張していました。
シーランの弁護を担当したイレーン・ファーカス弁護士は、2曲のコード進行やリズムは似ているが、このコード進行は「音楽のアルファベットの文字」のようなもので、「これらは基本的な音楽の構成要素であり、ソングライターは今もこれからも自由に使うことができなければ、音楽を愛するすべての人がそのために貧しくなる」と反論しました。
ニューヨークの連邦地裁の陪審員は5月4日、3時間の審議の後、シーランの2014年のヒット曲は「独自に創作された」ものであり、ゲイの1973年の曲から要素を盗んでいないと判断。原告側の訴えを退ける評決を下しました。
判決後、法廷の外で語ったシーランは「判決にとても満足している」と述べています。彼は、もし有罪になったら音楽活動を諦めると主張していましたが、今は「結局、本業から引退する必要はなさそうだ」と語っています。
結果に安堵しつつも、シーランはこうも話しています。
「同時に、このような根拠のない主張が裁判に持ち込まれることが許されていることに、まったくもって苛立ちを覚える。僕たちはこの8年間、歌詞もメロディーも4つのコードも劇的に異なる2つの曲について、世界中で毎日ソングライターが使っているものについて話し合ってきた。
これらのコードは“Let's Get It On”が作られるずっと前から音楽を作るために使われていた共通の構成要素であり、僕たち全員が亡くなった後もずっと音楽を作るために使われるだろう。これはソングライターのアルファベットであり、僕たちのツールキットであり、僕たち全員が使えるようにそこにあるべきものです。青という色が誰のものでもないのと同じように、これらや演奏方法は誰のものでもない。
もし陪審員がこの問題を別の方法で決めていたら、ソングライターの創造的な自由に別れを告げたも同然かもしれない」