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スティング イタリアの刑務所で演奏へ 受刑者たちが移民船の木材で作ったギターを手にステージに立つ

2023/04/27 16:06掲載
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Sting
Sting
スティング(Sting)は、マフィアのボスが収監されているイタリアの刑務所で演奏するという。しかも、受刑者たちが移民船の木材で作ったギターを手にステージに立つという。英国の新聞The Timesが報じています。

同紙によると、スティングは、イタリアのナポリにある刑務所で受刑者のために演奏する予定。ナポリ北部にある、このセコンディリャーノ刑務所は、マフィアのボスなどが収監されていることで有名です。

当日、スティングは、同刑務所の受刑者たちが、移民船から引き揚げられた木材を使って製作したギターを使用するという。

この刑務所では、イタリアの多くの刑務所で展開されているメタモルフォシ・プログラムのもと、選ばれた受刑者が木工の技術を学んでいます。受刑者たちはギターだけでなく、他の楽器、特にバイオリンや十字架などを作る技術を身につけています。

このプロジェクトでは、イタリアの小島、ランペドゥーザ島に上陸した移民船や難破した船から引き揚げられた木材を使用しています。

ランペドゥーザ島は、イタリア本土よりもチュニジアやアフリカ大陸に近く、イタリアの南海岸から遠く離れた場所に位置しているため、アフリカなどからヨーロッパを目指す多くの難民・移民の玄関口ともなっています。

そのため、受刑者が制作した今回の楽器などの作品は、受刑者の更生を助けると同時に、非常に危険な地中海横断をする移民の窮状を訴えるという2つの役割を担っているという。

スティングは声明の中で「この財団が作った楽器は、すべての人間の中にある美しさと尊厳を表していると思う」とコメントしています。