ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)のファンは、AI(人工知能)を使って完成させたアルバム『Smile』を公開しています。
手がけたのは、クリエイターのMike LeRoyで、制作に数ヶ月を要したという。 LeRoyは、『Smile』の楽曲をAIソフトで使って完成させたこのアルバム『BOOKOFF Smile』を、偽のバックストーリーと共に公開しています。
■偽のバックストーリー
「2018年の夏、僕は日本を旅しました。この旅で、繁華街に点在する多くのリサイクルショップの素晴らしさを知った。これらの店には、愛すべき家を失った、エキサイティングがアイテムが無造作に数多く並んでいた。その中でも、BOOKOFFのように“OFF”と名付けたリサイクルショップが人気だった。
あの運命の夏の日、レコードが整然と並んだ棚から、ピンク色のレコード・ジャケットを取り出した。それに目をやると、海岸に停めてある自転車に目をやったネイティブアメリカンが描かれていた。帯にはシンプルにこう書かれていた。“ビーチ・ボーイズ スマイル”。
長年のファンとして、すぐに驚きを隠せない自分がいた。この不思議なレコードは何なのか?どこから来たのだろう?ターンテーブルが手元になかったので、丁寧に持ち帰った。針がディスクに当たった瞬間、僕は非常に衝撃的なものを発見した。それは、ビーチボーイズの未発表作品の、一見完全でクリーンなステレオミックスであった…。
…違うかもしれない!これは単なる話だ!でも、結局のところ、どこかの宇宙ではこれが真実に違いない」
アルバム『Smile』はビーチ・ボーイズが1967年に発表する予定であった未完成アルバム。ブライアン・ウィルソンは2004年、お蔵入りになっていたビーチ・ボーイズの1966~1970年のオリジナル・セッションを再構築した『The Smile Sessions』をリリースしました。
LeRoyは、『The Smile Sessions』に続く段階として、新しい技術を使って曲の別々の部分を抽出し、象徴的なブライアン・スタイルのコーラスの満足のいく完全なステレオ・ミックスを作り上げたいと考えました。
LeRoyは自身のライナーノーツの中で、登場していない曲のために、どのようにしてブライアン・スタイルのヴォーカルを作ったかを説明しています。
「何ヶ月も前にこのプロジェクトを始めたとき、僕はコミュニティがAIヴォーカルに道徳的に反対するだろうと確信していた。これはずっと僕の夢だったけど、どうするべきか、自分の気持ちがよくわからなかった。(他のファンが作った)AIブライアン・モデルを見たとき、僕はそれを世界に解き放つ時が来たと悟ったんだ」
LeRoyは、最新の歌声変換モデルを使ってAIを訓練しました。
「(当初は)『Smile』で使いたいとは思わなかったので、あまり使っていませんでしたが、今にして思えば、100時間かけてブライアンの声をこのマシンから出すことができたのだから、それだけの価値は十分にあったと思う。心を無にして、一緒に歌えば、本当にブライアンが歌っているように感じることができるはずです。その実現に携われたことを幸せに思います」