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レコードストアデイ創設者「RSDがなければレコードの復活はなかった」「35年ぶりにレコードの販売枚数がCDを上回ったことについて」「レコードの今後」等語る

2023/04/21 17:50掲載
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Record Store Day 2023
Record Store Day 2023
4月22日の<レコード・ストア・デイ(RSD)>を前に、RSDの創設者の一人であるマイケル・カーツが米Goldmine Magazineのインタビューに応じています。カーツは「RSDがなければ、レコードの復活はなかった」と語り、また「RSDの人気が年々高まっている理由」「RSDの課題」「35年ぶりにレコードの販売枚数がCDを上回ったこと」「レコードとRSDの長期的な展望」についても話しています。

Q:RSDの人気は年々高まっているように感じます。その理由は何でしょうか?

「私たちは時代や人々が求めるものに合わせて変化し続け、レコードファンがより若く、より多様になるにつれて、私たちもそれに対応できるよう成長してきました。今年は新しいアーティストも多く、ファンから要望の多かったヒップホップのタイトルも多く取り揃える予定です」

Q:そろそろ「リバイバル」の枠を超えた考え方が必要になってきたと感じますか? レコードは一時的な流行ではなく、本当に定着しつつあります。

「私たちは、レコードを流行とは考えていません。レコードは音楽を体験するための素晴らしい方法であり、レコードはそれぞれコレクションして楽しむことができるものです。それは決してなくならないし、これからもなくならないと思う」

Q:あなたやRSDのチームにとって、RSDがもたらす課題は何でしょうか?

「私たちの創造的なアイデアのほとんどは、結局は企業に利用されてしまいます。それは自然で当たり前のことです。私たちがやっていることを続けることを難しくしますが、私たちはそれに慣れています。私たちは、それを挑戦として受け止め、その挑戦の周囲でイノベーションを起こそうとしています。

ザ・ドアーズの3インチレコードのターンテーブルや3インチレコードのセットなどは、ファンに特別で完全に独特なものを作って提供する素晴らしい例だと思います。3インチレコードやターンテーブルの箱に使われている写真も、これまで見たことのないザ・ドアーズのイメージです。3インチレコードそのものは、基本的に東京の東洋化成で手作業で作られています。こんなことをやろうとする情熱のある人は他にいません」

Q:RSDがなければ、レコードのリバイバルは起こっていたと思いますか?また、RSDの重要性をどのように評価されていますか?

「私たちが始めた頃は、アーティストやレーベルにレコードを作ってもらうのは、とても大変でした。数え切れないほどの時間とミーティングを費やして、レーベルやディストリビューターに、レコード・ストア・デイには需要があることを理解してもらうことができました。レコード・ストア・デイがなければ、レコードの復活はなかったと思いますし、過去15年間の販売データもそれを裏付けています。レコード・ストア・デイ以前は、レコード・ビジネスというものはほとんど存在しませんでした」

Q:昨年は35年ぶりにレコード(の販売枚数)がCDを上回ったそうです。そのことをどのように受け止めているのでしょうか?

「個人的には、CDというフォーマットは素晴らしいと思っていますし、多くの音楽ファンもそう思っていると思います。CDの売り上げが激減した本当の理由は、20年前にレコードの売り上げが激減したのと同じで、レーベルが音楽ファンに提供するのをやめたからです」

Q:あなたの目には、レコードとRSDの長期的な展望はどう見えますか?

「見通しは良好だと思います。唯一の心配は、企業がレコード音楽ビジネスに再び参入し、誤った生産判断を下し、私たちが作ったものの価値を下げることです。それは、起こる可能性もあれば、起こらない可能性もあります。それにもかかわらず、レコード・ストア・デイが始まって以来、何百万枚、何千万枚というアルバムがレコード盤にプレスされています。ファンはこれからもずっと、レコード店を通じてアルバムを売買することができるのです」