John Petrucci (Image credit: Per Ole Hagen/Redferns via Getty)
ドリーム・シアター(Dream Theater)のギタリスト、
ジョン・ペトルーシ(John Petrucci)が語る「ギタリストの心得 10選」。ペトルーシがギタリスト仲間に贈る10の秘訣。米Guitar Player誌企画
●プラグを抜く
「自分の技術的な能力を知るには、エレキギターをアコースティックで練習するのがとても効果的だよ。アンプを通さずに演奏してほしい。その代わり、バスルームのようなタイル張りの部屋で、自然な残響が少しあるような場所で練習してほしい。
そうすれば、ディストーションも、エフェクトも、ディレイもないので、自分の演奏を本当によく分析でき、自分のテクニックがどうなっているのかを把握することができる。手が楽器に触れているときに実際に物理的に起こっていることだけを知っていることができるんだ。それにより、とても明らかになることがある」
●時間をかける
「これまで何百万回も言ったけど、もう一度言うよ。メトロノームを使ってほしい。とても古い手法だけど、リズム感を養い、タイミングを合わせるには、とてもいい方法なんだ。
また、テクニックを身につけるのにも最適。何度も何度も演奏してもうまくいかず、イライラしながら座っているのではなく、ゆっくりしたメトロノームの速度で演奏し、あるフレーズやリックをマスターするまで、徐々に速度を上げていくことができるからね」
●指にしっかり馴染むようなピックで演奏する
●怪我を避けるためにストレッチを忘れないようにする
●他のミュージシャンと一緒に演奏すること、即興演奏の時間を取ること
「もうひとつ大事なことは、他のミュージシャンと一緒に演奏することと、即興演奏の時間を取ること。誰もがホームスタジオを持っていて、そこにこもって作品を作ったり公開したりするのが簡単な今の世界では、人に会わなくても何でもできる。
でも、外に出てジャムったり、即興的なスキルを身につけることはとても大切なことで、その場での創造性を発揮することができる。そうすれば、より豊かなアーティストになれるし、実際にプレイヤーとしての成長にも役立つんだ」
●音色に磨きをかける
「音色を鍛えることはとても重要。どんな機材を通して演奏していても、そこから得られる音色の質は様々。だから、あるレベルのギターを使うにしても、本物の真空管アンプを使うにしても、プラグインを使うにしても、モデリングアンプを使うにしても、良い音色とは何かを考え、知ることに時間を費やすしてほしい。
そうすれば、ステージでもスタジオでも、どんな場面でも自分を表現するときに、それがいい音かどうかがわかるようになる。基本的なことだけど、本当にひどいギターの音色を聞くことほど嫌なことはないよね。耳障りであったり、耳をつんざくよう音だったりすると、そういうことで、その人が実際に何を弾いているのか、音色の先まで聴き取れないことがほとんどなんだ」
●記録する
「自分のアイデアは記録しよう。派手なものでなくてもいいので、演奏中に何か創造的なことが浮かんだら、それを無視せずに記録してほしい。
若い頃はカセットテープでやっていたけれど、今は誰もが携帯電話を持っているから、もっと簡単だよね。だから、とにかく残しておくこと。後で聞き返すと、それが1曲になるかもしれない。僕はいつもそうなんだ。
(アルバム)『Distance Over Time』の“Fall Into the Light”はそんな感じだった。携帯で録音したリフがあって、あとで聴くために保存しておいたら、本格的な曲になったんだ」
●コードを勉強する
「スタイルによるけど、あるギタリストはコードをとても大切にしているし、あるギタリストはコードを無視している。単音で弾いたり、ソロでリフを弾いたりするのはとても楽しい。でも、複雑なコード形式を学ぶことは、僕がプレイヤーとして成長する上で非常に役立ったことの一つであり、メロディーや即興のセンスを磨くのに役立った。
以前にも言ったことがあるけど、テッド・グリーンの『Chord Chemistry』という本は、これまでで最も素晴らしいコード・ブックのひとつだよ。“Pull Me Under”“Take the Time”、“Another Day”(すべて『Images and Words』収録)といった曲は、その本から大きな影響を受けている。コードの勉強は、創造性を探求するのに最適な方法だよ」
●好奇心旺盛になればなるだけ多くのことを学べる
「たくさん質問してほしい。恥ずかしがらないでね。僕のギターユニバースキャンプのようなものが素晴らしい理由は、世界中から様々な年齢のプレイヤーが集まっている環境で、皆はサウンドの作り方から機材、曲作り、レコーディング、リック、速弾きまで、あらゆることを知りたがっているからなんだ。
そのような環境だけでなく、ギタリスト仲間や自分のバンドのメンバーとも一緒にいるときは、いつもそうしてほしい。誰かのやり方に興味があれば、好奇心旺盛になればなるだけ多くのことを学べることに気づくと思うよ。
プレイヤーとして成長するのに役立つから、それを利用してほしい」
●継続は力なり
「これは大きなもので、特に高度なテクニックを身につけるのに役立つ。もし、君がランニングをしたことがなく、マラソンをしたとしたら、おそらく200フィート(約60メートル)で倒れてしまうだろう。でも、そのために1年かけてトレーニングして毎日走って、ダイエットして、必要なことを全部やったら、1年でそのマラソンを走れるようになる。ギターの演奏もそれと同じだよ。
高いレベルのテクニックを身につけるというのは、1日や週末に詰め込めるようなものではない。できるだけコンスタントに時間をかける必要がある。そうしないと、イライラして、ギターを手に取るよりも置いてしまうことが多くなる。
それに打ち込んでいるという事実が、より良い演奏につながるんだ」