The Buggles / The Age of Plastic
バグルス(The Buggles)は、4月25日から始まるイギリスのシンガー、シールのツアーのオープニングアクトを務めますが、
トレヴァー・ホーン(Trevor Horn)によると、相棒のジェフ・ダウンズはイエスで多忙のため、ダウンズ抜きで演奏することになるという。これに対して、音楽ビジネスの弁護士であるホーンの娘からクレームがあったという。
ホーンはニューヨーク・タイムズ紙のインタビューの中で、こう話しています。
「音楽ビジネスの弁護士である私の娘が“名前を変えるべきよね、一人しかいないんだから。バグルと呼ぶべきよ”と言われたんだ」とホーンは笑いながら説明し、さらに娘はホーンに、バグルスの象徴的な服を着るように言ったという。「娘は“もし私がお金を払っている客で、バグルがシルバーのジャケットを着ていなかったら、お金を返してほしい”と言っていたよ」とも付け加えています。
またホーンは同じインタビューの中で、1980年に発表したアルバム『The Age of Plastic(邦題:ラジオ・スターの悲劇)』のタイトルにもなっている「プラスチックの時代」という考えは、彼がその昔、ビニール袋工場で働いていたことに影響されたものなのかについても話しています。
Q:あなたの初期の仕事のひとつに、ビニール袋工場のプログレスチェイサー(進捗状況監督者)というのがありますね。プログレスチェイサーとは、どのような仕事ですか?
「電話がかかってきて、“こちらは英国砂糖公社です。先週届くはずだったのですが、ビニール袋を2万枚注文しました。今どこにあるか教えてください”と言われます。僕は工場に行き、製造責任者に会って、袋がどこにあるのか尋ねます。すると彼は“(絶叫)しまった!”と言う。それから、英国砂糖公社に連絡して“袋は水曜日に届くとお約束いたします”と言うんだよ」
Q:バグルスが1980年に発表したアルバム『The Age of Plastic』のタイトルにもなっている「プラスチックの時代」に私たちが生きているという考えは、その仕事から影響を受けたものなのですか?
「ある程度はそうだけど、そのほとんどは“君の音楽はちょっとプラスチックっぽいね”と言われることに苛立ったから。しばらくして“(叫ぶ)プラスチックの時代だ!”と思った。
“Video Killed The Radio Star(邦題:ラジオ・スターの悲劇)”を聴いた友人たちは“まったく誠実さが感じられない”と言っていた。僕は70年代的な“誠実さ”というものを、少し鼻にかけていたのだろうね」
Q:プロデューサーとしての音楽的、技術的な側面はもちろんですが、心理的な側面、つまり、おだてたり、おだてられたりするタイミングはどのくらい重要なのでしょうか?
「そのすべてがとても重要。自分が主導権を握っているから何でも言えると思っていても、そうはいかない。うまくいく唯一の方法は、忍耐と優しさ。成功する人の多くは、自分に合ったものを見つける勘が発達しているものだから、その快適な環境から連れ出そうとするのであれば、気をつけなければならない」
Q:ポール・マッカートニーには、そのような勘の良さがありますよね。1989年に『Figure of Eight』で一緒に仕事をしたとき、彼はあなたの提案に耳を傾けてくれましたか?
「ポールはとてもチャーミングな人。初めて会ったとき、僕が『スペースインベーダー』で遊んでいたら、彼が後ろから近づいてきて、“トレヴ、マシンを騙す方法を教えてやろうか?”と言われたので、僕は“ポール・マッカートニーが僕の名前を知っているんだ!”と思った。ちょっと興奮したよ。結局のところ、彼はソングライターとベーシストでしかない。一国の独裁者ではないし、投獄されるわけでもないからね」