Vivian Campbell - Image: © Jim Wright
デフ・レパード(Def Leppard)の
ヴィヴィアン・キャンベル(Vivian Campbell)、
ジェフ・ベック(Jeff Beck)を語る。米Guitar World誌企画。
「僕が初めてジェフを見たのは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンとの共同で行われたアルバム『Guitar Shop』のツアーだった。ロサンゼルスのダウンタウンにあるスポーツアリーナで、彼らの共同ヘッドラインツアーを見た。ジェフ・ベックの生演奏を目の当たりにして、感動すると同じくらい落ち込んだ。自分がギタリストだと思って行ったのに、自分がギターを持っている人であることに気づいて帰ったんだ!
彼は、自分とは違う部類にいた。彼は別格だった。ジェフと同じことをする人は誰もいなかった。技術的なものだったけど、理解できない人がいるものを、誰もが演奏できるわけではない。彼が弾くようなストラトを手に入れ、十分な練習をすればジェフ・ベックのように弾くことができるかもしれない。でも、ベックのすごいところは、常にインスピレーションだった。彼の持つアイデアだった」
「そのすべては、ほとんど、これに行き着く。“どうしてあんなことを思いつくんだろう?”。他のギタリストは皆、自分のパターンを持っていて、フレーズを弾くためのパターンにいつも戻っている。ジェフは時々そうしていたけど、たいていは探求していた。彼は境界線を押し広げ、標準を超えた表現方法を模索していた。それが僕が思う彼の魅力であり、それをライヴで目撃することができた。
どんな音楽でも、ライヴで聴くと、より没入感のある体験ができ、それこそが本当の意味での体験だ。ジェフ・ベックのライヴに行き、彼の音楽の荘厳さに体を包まれるのは素晴らしい高揚感だったけど、それから家に帰ってギターを見ると、まるで誰かが風船の空気を全部抜いてしまったような状態になってしまう。弾きたいのか、売りたいのか、わからなくなったよ!」
「僕は幸運にも、彼のライヴを何度か見ることができた。それは宗教的な体験に似ていた。最後に彼の演奏を見たのは(歴史あるLAの野外ステージ)グリーク・シアターだった。周りを見渡すと、ブライアン・レイ、スティーヴ・ルカサー、マイク・ランドウ、そしてLAのセッション・プレイヤーたちなど、至る所にギタリストがいた。みんな同じように感じていたから、ジェフ・ベックの祭壇にお辞儀をしに行ったんだよ」
「彼の人生とキャリアにおいて、彼がまだその限界を超えようと思っていて、そこに到達したいと望んでいたことは、とても刺激的なことだよね。彼は、楽器の演奏方法のゴールポストを動かしたいと考えていたという印象は受けない。彼はただそれをやっただけだ。
演奏しているときにインスピレーションとつながり、それを表現するための道具を手にしているというのは、ほとんど神のようなものだと思う。でも、ジェフがギターの演奏について深く考えていた印象はない。彼はただ演奏していただけだと思う」