Deep Purple / Live in Japan
メタリカ(Metallica)のラーズ・ウルリッヒは英BBCの新しいインタビューの中で、
ディープ・パープル(Deep Purple)のライヴ・アルバム『Made In Japan(邦題:ライヴ・イン・ジャパン)』を称賛し、パープルが50年前に行ったような即興演奏を今のメタリカができない理由について話しています。
『Made In Japan』には1972年8月の大阪公演と東京公演から選ばれたライヴ音源を収めていますが、各公演それぞれの録音が存在しており、ウルリッヒはパープルのパフォーマンスがどのように進化したかに魅了されています。
「俺らも含め、2023年のほとんどのバンドは、曲は毎晩あまり変わらない。でも、“Child In Time”とかを『Made In Japan』で聴いて、さらに前夜と翌晩の別テイクを聴くと、全部違うというのは正気とは思えないね。ある晩は8分、別の晩は11分の曲で、すべて即興なんだ。ミュージシャンたちは、ただそこに飛び出して、どこに連れて行かれるかを楽しんでいるんだよ」
メタリカにとって、それは常に可能なことではないという。
「音楽が頭から離れ、体の中に入っていくのは素晴らしいことだけど、メタリカの曲の中には、考え続けなければならないものもある。例えば“Blackened”のように、スタートとストップ、テンポの変化すべてに気を配る必要があるものもある。“さあ、始まるぞ。あと4小節、失敗しないようにしたい!”ってね」
新鮮さを保つために、バンドは次のツアーで新しいアプローチをとっています。『ノー・リピート・ウィークエンド(no-repeat weekend)』と名付けられたこのツアーでは、バンドは毎週新しい街に入り、2公演を行いますが、この2公演は全く異なるセットリストとサポート・アクトで構成される予定です。
「ちょっとクレイジーで、ちょっと気難しいけど、毎晩真っ白なキャンバスを得ることができる。それはね、俺らのように長い間活動している限り、いつでもいいことなんだ」
メタリカは2023年、米バージニア州のアナログレコードのプレス工場を買収しました。これは主に、需要に対応できるようにするためで、必要性に迫られたものでした。最新アルバム『72 Seasons』のリリースに十分な数のレコードを用意するため、メタリカは6カ月前にアルバムを提出しなければなりませんでした。その間、彼らは音楽がリークされる可能性に直面していました。過去15年間、彼らのディスクをプレスしてきたFurnace Recordsを買収することで、時間を短縮することができます。ウルリッヒによると、その恩恵を受けるのは彼らだけではなく、他のバンドのレコードもプレスしていくという。
BBCのインタビュアーが「自分自身のためにディープ・パープルの限定ブートレグをプレスできるのでは?」と言うと、ウルリッヒはこう話しています。
「わかるだろ?」と彼は陰謀めいた笑いを浮かべ、「夜中の3時にこっそり行って、今までを凌駕する最高の『Made In Japan』のライヴ・ヴァージョンをレコードで手に入れるんだ。2枚だけ、1枚は君に、もう1枚は俺のためにね」