The Clash / London Calling
ザ・クラッシュ(The Clash)のあるファンは、オンラインで購入したアナログレコードの音質が悪いことに気付く。このファンが指摘したことで、6年間にわたって偽物のアナログ盤を販売し、120万ポンド(約2億円)を稼いだ男が英国で逮捕されています。
英ガーディアン紙によると、ザ・クラッシュのあるファンは、オンラインで購入したレコードの音質が悪かったため、返金を要求しました。返金が拒否されたため、このファンは取引基準局に苦情を申し立てます。
取引基準局は、ハンプシャー州リングウッドに住む55歳のリチャード・ハッターの調査を開始。ハッターのオンラインサイトから、ガンズ・アンド・ローゼズの『Appetite for Destruction』とクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの『Songs for the Deaf』を購入して確認したところ、いずれも偽物であることが判明します。
ハッターの自宅は捜索され、警察官が彼の携帯電話とノートパソコンを押収したことで、彼が6年間にわたって数千枚の偽物のアナログ盤をロックやポップのファンに販売していたことが判明します。彼は自分のウェブサイトで販売するだけでなく、1年間に1,200枚近いアナログ盤をeBayに出品していました。
尋問を受けたハッターは、偽物のアナログ盤とは知らなかったと否定し、ヨーロッパから調達して販売したと述べました。彼は、偽物のアナログ盤を販売した13の罪と、犯罪収益法に基づく1つの罪について有罪を認めました。
ハッターは裁判で、24ヶ月の執行猶予付きの4ヶ月の禁固刑が言い渡されました。また、373,000ポンド(約6000万円)の没収命令も出されています。
Dorset Trading StandardsのMartin Thursbyは、次のように述べています
「CDが登場した後、レコードの売り上げは急速に減少しましたが、2010年頃からレコードの復活が始まりました。現在、レコードのプレス工場が足りないと言われるほど、需要が高まっています。ハッターは人気の高まりに気づいており、それを利用するためにビジネスを立ち上げたのです。ハッターが販売していたレコードは、よくできているコピーですが、レコードが偽造であることを示す小さな違いを見分けることができる熱心な音楽ファンが購入したため、明るみに出たのです」