ポピュラー音楽の現状を総合的に解説。書籍『ポピュラー音楽の社会経済学 [第2版]』はナカニシヤ出版から4月14日発売。音楽産業の現状と問題点、サブスクリプション、アナログの復権、著作権ビジネス、ロックの歴史とJ-Popの構造、K-Popの躍進など。
■『ポピュラー音楽の社会経済学 [第2版]』
著者:高増 明 編
書店発売日:2023/04/14
ISBN:9784779517266
判型・ページ数:A5 ・ 364ページ
定価:3,740円(税込)
●主な内容
はじめに
1 日本の音楽産業の現状と問題点
はじめに
1-1 CD生産額の減少
1-2 コピーと違法ダウンロード
1-3 高齢化とCD購入の減少
1-4 ダウンロードからサブスクリプション(ストリーミング)へ
1-5 ほかの原因? 音楽コンテンツの同質化
おわりに
2 日本の音楽産業の構造
はじめに
2-1 CDの制作
2-2 アーティストとプロダクション
2-3 レコード会社
2-4 流通とレコード店
2-5 音楽出版社と著作権管理事業者
2-6 放送局・カラオケ・レンタルCD
2-7 音楽配信
2-8 ライブイベント
2-9 音楽雑誌とWeb
2-10 楽器産業
おわりに
3 音楽のデジタル化
はじめに
3-1 音楽情報のデジタル化とは何か?
3-2 音楽CD
3-3 音声圧縮
3-4 デジタル化のメリットとデメリット
3-5 デジタル化とメディアの変化の歴史
3-6 現在のレコーディング
3-7 アナログの復権
おわりに――デジタル化の将来
4 日本における音楽ビジネスの歴史
はじめに
4-1 日本の経済
4-2 音楽に関するテクノロジーの進化
4-3 音楽関連産業の成長・音楽の新しい利用
4-4 音楽の変化
おわりに
5 音楽著作権と著作権ビジネス
はじめに
5-1 著作権の歴史
5-2 音楽に関する著作権の基本概念
5-3 著作権ビジネスと音楽著作権管理事業者
5-4 インターネットの発展と著作権侵害
5-5 サブスクリプションは著作権問題を解決するのか?
おわりに
6 公共財としての音楽?
はじめに
6-1 市場メカニズムの効率性
6-2 公共財
6-3 音楽は公共財か?
6-4 文化経済学
6-5 音楽税のシミュレーション
おわりに
7 ロックとポピュラー音楽の歴史
はじめに
7-1 ロックンロールの誕生
7-2 ビートルズとブリティッシュ・インベージョン
7-3 1960年代のアメリカのポピュラー音楽
7-4 ハード・ロックの登場と発展
7-5 グラム・ロックとパンク
7-6 1970年代のアメリカン・ロック
7-7 ソウル・ミュージック、ディスコ・ミュージック
7-8 スカとレゲエ
7-9 ヒップホップ・ミュージック
7-10 1980年代のロック、ポップ・ミュージック
7-11 MTV
7-12 1990年代から現在へ
7-13 クラブ・ミュージックあるいはエレクトロニック・ダンス・ミュージック
7-14 ヒップホップのメインストリーム化とロックの退潮――2010年以降の音楽動向
おわりに
8 日本のポピュラー音楽の世界進出の可能性について
はじめに
8-1 日本のポピュラー音楽に対する世界のポピュラー音楽の影響
8-2 日本のロック・ポップの海外進出の事例
8-3 日本のポピュラー音楽はなぜ海外で評価されないか?
8-4 日本独自のポピュラー音楽?
8-5 最近の日本のアーティストの海外への進出
おわりに
9 J-Popの成立とJ-Popの構造
はじめに
9-1 民謡・わらべ歌と日本の音階
9-2 文部省唱歌と童謡
9-3 歌謡曲の出現
9-4 洋楽の流入と日本のポピュラー音楽の形成
9-5 歌謡曲とニューミュージック
9-6 コードとコード進行
9-7 J-Popでよく使われるコード進行とJ-Popのつくり方
9-8 J-Popの構成と特徴
おわりに
10 K-PopとC-Pop
はじめに
10-1 韓国のポピュラー音楽市場
10-2 韓国政府の文化政策
10-3 韓国におけるポピュラー音楽の発展
10-4 韓国の音楽プロダクション
10-5 BTSの成功
10-6 中国の政治経済状況と中国経済の発展
10-7 中国、台湾、香港、華人のポピュラー音楽の発展
おわりに
参考文献
おわりに
索引
●著者紹介
高増 明
京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。京都大学経済学博士。著書に『ネオリカーディアンの貿易理論』(創文社、1991年)『国際経済学:理論と現実』(共著)(ナカニシヤ出版、1997年)『アナリティカル・マルキシズム』(共著)(ナカニシヤ出版、1999年)『経済学者に騙されないための経済学入門』(共著)(ナカニシヤ出版、2004年)などがある。1991年にOSU-DMF Recordsを設立、現在まで経営を続けている。(担当 はじめに、第1章~第10章、おわりに。第5章を齋藤と共同で執筆、第7章を中本と共同で執筆)
中本義貴
関西大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は、音楽社会学。論文に「1980年代サフ゛カルチャー音楽文化の研究」(『関西大学大学院人間科学 : 社会学・心理学研究』75号、2012年)などがある。(第7章を高増と共同執筆)
齋藤宗昭
関西大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専門は文化社会学、文化の社会経済学分析。論文に「ヴィジュアル系ロックの歴史――誕生からブーム終焉まで」(『関西大学大学院人間科学 : 社会学・心理学研究』75号、2012年)などがある。(第5章を高増と共同執筆)