ポール・マッカートニー(Paul McCartney)は「長いキャリアの中で最も高いリスクを取ったと思うことは何ですか?」というファンからの質問に「特にウイングスの結成はそうだった」と答えています。ファンからの質問に答える自身の公式サイトの企画「You Gave Me The Answer」の最新エピソードより。
●TwitterアカウントNatiからの質問:
「長いキャリアの中で、職業上、最も高いリスクを取ったと思うことは何ですか?ビートルズ脱退、ウイングス結成、『McCartney II』、『ヤァ!ブロード・ストリート』、ザ・ファイアーマン...などなど、いくつか候補が思い浮かびますが、他に何かありますか?」
●ポール:
「君が挙げたものはすべて大きなリスクだったと言えるね、特にウイングスの結成はそうだ。
僕が抱えていた主な問題は、ビートルズの後を継ぐかどうかということだった。それは困難なことだし、不可能なことだとも言える。ビートルズの構成要素は、とても独特なものだった。ジョンがいたからこそ、どんなグループでも輝かせることができた。そして、ジョージの才能、リンゴの才能、そして僕。
そのバンドが終わってしまうと、自分でもどうしていいかわからなくなるし、新しいことに挑戦するのは本当にリスキーだった。もちろん、ミュージシャンではなかったリンダがウイングスに参加したこともリスクだった。レビューが届き始めると、多くのレビューが彼女に焦点を当て“彼女はバンドで何をしているんだ”と聞いてきた。傷ついたよ。でも、ビートルズを始めたとき、誰もコードを知らなかったことを思えば、合理的に考えることができた。時間が経つにつれて、僕たちは良くなり、いろいろなことができるようになった。
ウイングスの初期には、大きなライヴに飛び込むのではなく、バンで高速道路を走ったり、学生のための大学で小さな自発的なライヴを行うなど、振り出しに戻ることにした。ほとんど何者でもない、ただのバンドの一人に戻った僕が今、再び名声を得ることができている。70年代半ばに大きなアメリカ・ツアーを行う頃には、その正当性が証明された。僕たちはとてもタイトで、いわば一緒に上がってきたようなものだった。リスクは報われたんだ」
●PaulMcCartney.com:
「自分のことをリスクを取る人間だと思いますか?」
●ポール:
「そうでもないよ。普段はかなり慎重なんだ。でも、人生にはリスクを負わなければならない時が何度かある。ビートルズの後、“音楽を続けるか、続けないか”というのが僕の状況だった。まあ、続けたいんだけどね。だから、“どうすればいいんだろう?バンドをやるのか、それとも駅前でストリート・ミュージシャンをするのか。どうすればいいんだ”と考えたんだ。
本来、僕はリスクを冒すタイプではない。物事をよく考えて、慎重に行動しようとする。僕はジョンとは正反対だった。もし崖から飛び降りるようなことがあれば、ジョンなら飛び降りるだろうね! 彼は物事に飛び込んでいくので、僕は“そんなことしちゃダメだよ!”と彼を助けなければならないこともあった。例えば、彼は税金を払わないこともあったので、“払わなきゃ刑務所行きだよ!”と言ったこともあった。でも、そんなふうに性格の違う人と一緒にいるのは、とてもエキサイティングなことだった。それが面白さであり、魅力でもあった。
もちろん、僕は完全に四角四面(※非常に真面目で堅苦しいこと)なわけではない。奇抜なことをたくさんしているしね!それは僕の性格でもあるんだけど、でも、僕はリスクテイカー(※リスクを負っても冒険する人)として生きているわけではない。ある程度は何とかしようと試行錯誤しているよ」