ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)が死去。コールドウェルのSNSアカウントで発表。71歳でした。
彼の代理人によると、3月14日の夜、ニュージャージー州の自宅で眠るように亡くなったそうです。サイトTMZが報じています。
以下、妻のメアリー・コールドウェルの声明より
「ボビーが自宅で息を引き取りました。 私は彼が私たちのもとを去るとき、彼を腕の中でしっかりと抱きしめました。 私は永遠に心を痛めています。 長年に渡り、たくさんの祈りを捧げてくださった皆様に感謝いたします。 彼は6年2ヶ月の間、“FLOXED”に侵され、健康を害していました。神とともに安らかに、私の愛」
サイトvarietyによると、フロックス/フロキシング(Floxing)は、「フルオロキノロン系抗生物質の副作用によるミトコンドリア損傷と酸化ストレスによって体内で発生するもの」だという。
サイトTMZやコールドウェルのSNSアカウントによると、コールドウェルは、痛みを伴う神経障害と足首の腱の断裂のため、5年ほど歩けなかったという。昨年、彼のチームはコールドウェルが2017年に処方された抗生物質に悪い反応を示したことを明らかにしていました。それがアキレス腱の断裂を引き起こし、神経障害につながったという。そういった状況にもかかわらず、ボビーは車椅子、杖、そしてヘルパーの助けを借りながらパフォーマンスを続けていました。しかし、残念ながらボビーの状態は悪化していき、2021年夏に、それ以降のコンサート出演をキャンセルすることを発表していました。
「What You Won't Do for Love(邦題:風のシルエット)」「スペシャル・トゥ・ミー」など、今もなお色褪せることのない大ヒットナンバーで絶大な人気を誇った“ミスターAOR”ことボビー・コールドウェルは1951年8月ニューヨーク生まれ。幼少の頃、父親からプレゼントされたギターがきっかけで音楽に目覚める。
22歳の時にリトル・リチャードのバンドに参加し、1976年に「The House is Rockin'」でデビュー。1978年に発表されたデビュー・アルバム『What You Won't Do for Love(邦題:イヴニング・スキャンダル)』の時点で、すでにメロディ・メイカーとしての才能を開花。ソウルフルなヴォーカルと完成度の高いサウンドがAORファンを魅了した。
80年代には『Cat in the Hat(邦題:ロマンティック・キャット)』『Carry On』『August Moon 』を発表。またコンポーザーとしても活躍し、86年にはピーター・セトラとエイミー・グラントのデュオに提供した「Next Time I Fall」が全米チャート1位に輝き名実ともにコンポーザーとしての地位を確立した。コンポーザーとしての代表作としては、このほか、ボズ・スキャッグズに提供した「Heart of Mine」などがある。
90年代以降もアルバムを複数リリース。日本では非常に人気が高く、AOR界ではクリストファー・クロスやボズ・スキャッグスと並び立つ存在だった。