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エクストリームの「Hole Hearted」は地下室で録音されたデモ・ヴァージョンだった、ヌーノ・ベッテンコートが逸話を語る

2023/03/12 20:56掲載
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EXTREME  (c) earMUSIC (c)Jesse Lirola
EXTREME (c) earMUSIC (c)Jesse Lirola
エクストリーム(Extreme)ヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)によると、私たちが聴いているエクストリームの楽曲「Hole Hearted」は、フロントマンのゲイリー・シェローン(Gary Cherone)の地下室で録音されたカセットデモ・ヴァージョンだという。米ラジオ局SiriusXMの番組で司会のエディ・トランクに明かしています。

ベッテンコートは、この経験は、バンドに貴重な教訓を与えたと話しています。それは、曲を初めてテープに録音したときに起こる魔法を、再現できないことがあるということ。デモ・レコーディングは逆効果なのだ、と彼らは判断しました。

ベッテンコートはまずこう話しています。

「デモはやらない。デモは嫌いだ。最初に曲をレコーディングしたときの魔法を再現することはできないから。だから、とにかくみんなでやってみて、それがうまくいけばアルバムに入れるんだよ。デモを録音して“別のヴァージョンでスピードアップしてみよう”なんてことはない。僕らがやって、うまくいったら、それで終わり。そうでないなら、もういいんだ」

そして、「Hole Hearted」についてこう話しています。

「“Hole Hearted”はね、ゲーリーの地下室でレコーディングしたんだ。僕は小さな4トラックか8トラックのカセットテープを持っていて、スタジオで12弦を使って(あの曲の)アイデアを思いついた。リフを書いてから彼の家に戻って地下室にいると、すべてが流れ込んできて、メロディも出てきたんだけど、それを録音するものがなかった。

ジャネット・ジャクソンとかがライヴで使っていたマクドナルドやバーガーキング(のスタッフが付けている)ようなヘッドセット(※ヘッドフォン+マイク)を使った。それをダクトテープで膝に貼り付けて、アコースティックギターを録音したんだ。それから、パーカッションを録音した。BV(バッキング・ヴォーカル)も全部そこでやった。ゲイリーのヴォーカルも録音した」

その後、スタジオで再レコーディングを試みましたが、何かがおかしいことにすぐに気付きました。

「再レコーディングしても、その精神を再現することはできなかった。だから、レコーダーを丸ごと持ってきて、2インチテープに移し替える必要があったんだ。

それでわかったのは、僕たちが再録音した新しい曲は、技術的にも、音質的にも、演奏的にも、完璧で、素晴らしいものだった。でも、書いている最中に最初に録音したときの魔法は失われてしまった。たとえ自宅の地下室の小さなレコーダーで作った曲であっても、世界中でトップ5に入ることができるということを教えてくれたんだ」