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人は通常、曲を聴いてから数秒以内に好きかどうかがわかる 音楽は“一聴惚れ” 最新研究結果

2023/02/17 15:15掲載
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listening to music
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研究者は、人がある曲を好きになったり嫌いになったりするまでの時間を調査しました。その結果、人は通常、曲を聴いてから数秒以内に好きかどうかがわかることが判明。一目惚れという言葉がありますが、音楽は“一聴惚れ”であるという。

ニューヨーク大学のデータサイエンスセンターの神経科学者パスカル・ウォリッシュは、人がある曲を好きになったり嫌いになったりするまでの時間を知りたいと考えました。そこで、彼と研究チームはプレイリストを作成しました。

プレイリストには、さまざまなジャンル(8つのジャンルと7つのサブジャン)の計260曲を選びました。アーティストは、モーツァルト、ベートーベン、エルヴィス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、セックス・ピストルズ、カニエ・ウェスト、ポルカのフランキー・ヤンコヴィックなどが含まれています。

研究チームは、これらの曲を3120の短い断片にカットし、600人以上のボランティアに聞かせて、それぞれの断片を「好き、すごく好き、少し好き、興味なし、少し嫌い、すごく嫌い、嫌い」で評価してもらいました。

研究者たちは、断片をより短くして評価してもらい、さらに短くして評価してもらい・・・という実験を続けました。研究者たちは、人々がどれだけ早くその曲に対する印象を形成するかを確認したかったのです。

ウォリッシュ教授は「最短で5秒を試したところ、5秒が最適であることが判明しました」と言っています。

つまり、人々がその曲に対する印象を形成するのにそれほど時間はかからなかったのです。そして、その第一印象は長く続くのです。参加者は、曲の長い部分を聞いた後でも、最初の印象を持ち続けました。

ウォリッシュ教授は、この結果は、映画の予告編について知られていることに反すると述べています。「映画の予告編では、予告編は好きだけど映画は好きじゃないとか、予告編は好きじゃないけど映画は好きということがありますよね」。

ウォリッシュ教授は、短い音楽の断片を聞いたとき、脳のどの領域が反応するかを研究したいと述べています。しかし、そのためには、被験者が音楽を聴きながらMRIスキャンを受ける必要があります。問題は、MRIの装置がうるさいことです。「音楽を鑑賞するのに最適な環境ではないのです」と話しています。