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ロジャー・ウォーターズ、ピンク・フロイド抜きで『The Dark Side of the Moon』を再録音

2023/02/09 13:31掲載
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Pink Floyd / Dark Side Of The Moon
Pink Floyd / Dark Side Of The Moon
ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)は、ピンク・フロイド(Pink Floyd)抜きで『The Dark Side of the Moon(邦題:狂気)』を再レコーディングしたと発表。フロイド時代のバンドメイトは誰も参加していません。

ウォーターズは英The Telegraph紙のインタビューの中で、こう話しています。

「俺が『The Dark Side of the Moon』を書いたんだ。“俺たち”という戯言は全部捨てよう! もちろん、我々はバンドであり、4人のメンバーがいて、全員が貢献した。でも、これは俺のプロジェクトで、俺が書いたものなんだ。だから...くそったれ!」

また、他のメンバーのソングライティングへの貢献について語るとき、ウォーターズは他のメンバーは質の高い作品を作ることはできないと主張しています。

「まあ、ニック(メイスン)はそんな素振りは見せなかったよ。でも、(デヴィッド)ギルモアとリック(ライト)はどうだ?彼らは曲を書けないし、何も言うことがない。彼らはアーティストじゃないんだ!」

『The Dark Side of the Moon』が3月に50歳の誕生日を迎えるにあたり、ウォーターズはアルバムを再録音する時期が来たと判断しました。

The Telegraph紙のライター、トリストラム・フェイン・サンダースは、この再録アルバムを試聴したようで「部分的には実に良い出来だ」と報告しています。

「若者の死を嘆く“Time”が老人の音色で凄まじく響く。“Breathe”はスローでアコースティックなグルーヴに見事に再構築されている。カントリー調の“Money”は、後期のジョニー・キャッシュの曲のようで、ウォーターズは音域の一番下でカリスマ的にうなり声を上げている」

そして、ウォーターズの最も衝撃的な選択は、『The Dark Side of the Moon』のインストゥルメンタル・トラックの上に、スポークン・ワードの詩を録音したことです。

ウォーターズは、「理性の声」というアルバムの中心的なテーマをよりよく伝えるために、このプロジェクトに取り組んだのだと主張しています。「あの時、俺が言っていたことが何なのか、認識してくれる人が少なかったんだ」

ウォーターズによる『The Dark Side of the Moon』の新ヴァージョンの発売日はまだ公式に発表されていませんが、The Telegraph紙は5月中に発売されるだろうと示唆しています。

ウォーターズはまた2月8日(米国時間)、国連安全保障理事会で演説し、ウクライナ戦争の「即時停戦」を呼びかけました。ロシアの要請で行われた演説で、彼は「声なき多数派」の代表として発言しました。

「声なき多数派は、あなた方の戦争が--そう、あなた方の戦争、これらの永遠の戦争は私たちの選択ではない--あなた方の戦争が私たちの故郷である惑星を破壊することを懸念している」

「他のあらゆる生物とともに、私たちは二つのものの祭壇の上で犠牲になるのです。1つは、ごく少数の人々の私腹を肥やすための戦争による利益であり、もう1つは世界一極支配に向けた帝国か何かの覇権主義の行進です」

「どうか、それがあなたのビジョンではないことを、私たちを安心させてください。その道は災いをもたらすだけです。その道を行く者は皆、ブリーフケースの中に赤いボタンを持っている。その道を進めば進むほど、かゆい指が赤いボタンに近づき、我々全員がハルマゲドンに近づくていく」

その後、ウォーターズはロシアのウクライナ侵攻について具体的に話し、「ロシア連邦によるウクライナへの侵攻は違法である。私はそれを可能な限り強い言葉で非難する」「また、ロシアによるウクライナ侵攻はいわれのないものではなかったため、私は挑発する側を可能な限り強い言葉で非難する」と述べています。その後、戦争の終結をはっきりと訴え、演説を締めくくっています。

以下は演説の映像