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「マネー」の歌手&モータウン・ソングライター バレット・ストロング死去

2023/01/30 11:31掲載
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Barrett Strong
Barrett Strong
モータウンの最初のヒット曲で、後にビートルズらもカヴァーした「Money (That's What I Want)」をはじめ、モータウンの名曲を数多く残したバレット・ストロング(Barrett Strong)が死去。モータウン・ミュージアムがSNSで発表。81歳でした。

ストロングは、モータウン・レーベル最初のヒットを放った歌手で、またソングライターとして、マーヴィン・ゲイ/グラディス・ナイト&ザ・ピップスの「I Heard It Through the Grapevine」、エドウィン・スターの「War」、テンプテーションズの「Cloud Nine」、「I Can't Get Next to You」「Psychedelic Shack」「Ball of Confusion (That's What the World Is Today)」「Papa Was a Rollin' Stone」など、音楽プロデューサーのノーマン・ホイットフィールドとのコラボレーションで多くの名曲を生み出しました。

バレット・ストロングは1941年2月ミズーリ州ウェストポイント生まれ。ストロングの家族は、彼がまだ子供のときにデトロイトに引っ越した。教会のゴスペル・グループで歌いながら育ち、やがてジャッキー・ウィルソンやサム・クックといった将来のスターたちと友人になった。

1957年、ウィルソンがモータウン・レコードの創業者ベリー・ゴーディをストロングに紹介し、2人はすぐに一緒に仕事をするようになった。

2年後、彼らはモータウンの最初のヒットを記録することになる。「Money (That's What I Want)」は、ストロングとゴーディが即興で曲のアイデアを出していたときに、思いがけず生まれた。1959年8月にリリースされた「Money (That's What I Want)」は、R&Bチャートで2位、ビルボード・ホット100で23位を記録した。その後、ビートルズ、ジェリー・リー・ルイス、サーチャーズ、ビートルズ、フライング・リザーズ、バディ・ガイなど、多くのアーティストにカヴァーされた。

この曲は、歌手としてのストロングにとって、唯一の大ヒットとなったが、彼は他のアーティストのために多くのヒット曲を作る手助けをした。

モータウンのソングライターとして、プロデューサーのノーマン・ホイットフィールドと一緒に仕事をしたストロングは、エドウィン・スターの「War」、アンディスピューテッド・トゥルース の「Smiling Faces Sometimes」、マーヴィン・ゲイとグラディス・ナイト&ザ・ピップスが録音した「I Heard It Through the Grapevine」といった時代を超えた楽曲の制作に貢献した。

また、ストロングはテンプテーションズの「Cloud Nine」、「I Can't Get Next to You」「Psychedelic Shack」「Ball of Confusion (That's What the World Is Today)」「Papa Was a Rollin' Stone」などのヒット曲を手がけ、「Papa Was a Rollin' Stone」の共作者として、1973年のグラミー賞最優秀R&B賞を受賞した。

1972年、ストロングはモータウンを去った。エピック・レコードと契約し、後にキャピトルと契約するが、両社での作品は以前のレーベルの成功に比べれば見劣りするものだった。

2004年、ストロングはソングライターの殿堂入りを果たした。

2016年に、彼はモータウン時代をこう振り返っている。

「素晴らしい時代だった。私たちはまだ子供で、お金のためではなく、楽しみのためにやっていた。一日中スタジオにいるのが楽しくて、仕事をしていたんだ。今の人たちはまずお金を欲しがる、それは理解できる。でも、昔は作品を第一に考え、一生懸命働けばお金がもらえると考えていた。そういう時代だったんだ」