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キッス『Destroyer』のプロデューサー バンドの成功の鍵は女の子に好かれることだったと語る 「Beth」をバラードに変えた理由もそれ

2023/01/19 18:19掲載
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Kiss / Destroyer
Kiss / Destroyer
キッス(KISS)のアルバム『Destroyer(邦題:地獄の軍団)』をプロデュースしたボブ・エズリン(Bob Ezrin)が、このアルバムにおける自分の役割は、キッスを女の子に人気のあるバンドに変えることだったと新しいインタビューの中で明かしています。女の子に好かれるために「Beth」を繊細で悲しいバラードに変えたと回想しています。

ゲイリー・ケンプとガイ・プラットのポッドキャスト番組『Rockonteurs』に出演したエズリンは、キッスは『Destroyer』以前は15歳の少年にしかアピールしていなかったと述べています。

「『Destroyer』の目的は、私からの視点では、彼らを15歳の少年たちにしかアピールできないロックバンドから脱却させることだった。

彼に最初に会ったとき、彼らに“50年代にマーロン・ブランドとリー・マーヴィンが共演した『乱暴者』という有名な映画があるよね”と言った。2つの交戦中のバイク集団の話で、悪人、みんな悪いやつらだ。

リー・マーヴィンは単色で黒い服を着ていた悪い悪党だった。リー・マーヴィンはただ嫌な奴だった。一方、マーロン・ブランドは、少し弱々しく、もう少し人間らしいところがあった。物語の重要な人物である可愛い娘は、マーロン・ブランドの演じるジョニーの中に何かを見て、恋に落ちた。

私は彼らにこう言った。“今、君はリー・マーヴィンだ。ガラスの天井(※目に見えない行き止まりの障害がある)だ。このままでは、決して広まらない。15歳の男の子だけが“ああ、かっこいい”と思うだけだ。私たちは、アメリカのすべての女の子が君たちのことを見て“私なら支えられるわ。彼のことを愛しているから支えられるわ”と思うようなものにしたいんだ。それが女の子のすることだからね」

エズリンは、この変身の鍵はピーター・クリスのバラード「Beth」だったと明かしています。この曲はもともと、もっとハードな曲で、主人公はパートナーと離れて過ごす時間よりも、バンドとの路上生活の重要性に焦点を当てていました。

「この曲は、もう少し、男性的で、傲慢な曲だった。主人公は、基本的に“ふざけるな、俺は家に帰らない。俺と仲間たちの方が大事だ”とか、そういう感じで、ちょっと弾けた感じだった。

アパートに戻って、ピアノの前に座ったら、どこからか分からないけど、メロディーが出てきたんだ。“これは実はとても悲しい曲なんだ”と思った。なぜ彼は家に帰らないのだろう?彼は自分が彼女を傷つけていることを知っている。どうしたんだろう?

そこで、私たちはバラードにしました。本当に繊細で悲しいバラードにね。ピーターのスモーキーな歌声は、この曲にぴったりだったんだ。

私はこの曲がヒットすると思っていたけど、他のメンバーはこの曲がキッスを代表する曲だとは思っていなかった。誰もが知っているようなキッスの代表曲ではないけど、『Destroyer』を代表する曲だったんだ」