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リック・ルービン「音楽のことも何も知らない」 アーティストはいったい何のためにお金を支払っているのか?自身の考えを語る

2023/01/19 16:52掲載
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Rick Rubin
Rick Rubin
リック・ルービン(Rick Rubin)は、現代で最も有名で影響力のある音楽プロデューサーの一人ですが、謎めいた人物です。新しいインタビューの中で、楽器は「かろうじて」弾けるが、ミキシングデスクの使い方は知らないと言い、「俺には技術的な能力もないし、音楽のことも何も知らない」と述べています。では、アーティストはいったい何のためにお金を支払っているのでしょうか? 彼は自身の考えを語っています。

ルービンは、これまで9つのグラミー賞を受賞し、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、メタリカ、ジョニー・キャッシュをはじめ、膨大な数の著名人と仕事をしています。

そのため、楽器の演奏やミキシングデスクの操作に長けていると考える人もいるかと思いますが、ルービンは自身の新著『The Creative Act: A Way of Being』の出版を記念したインタビューで、そうではないと主張しています。

『60 Minutes』の司会者アンダーソン・クーパーとプロデューサーとしての能力について語り合ったルービンは、「何か楽器を演奏できますか?」と尋ねられます。ルービンは、すぐに「かろうじてね」と答えます。

アンダーソンは続けて、ルービンに「サウンドボード」や「ミキシングデスク」の使い方を知っているかと尋ねました。すると、ルービンは「いいえ」と答え、「俺には技術的な能力はない。音楽についても何も知らないんだ」と答えます。

「何か知っているはずだ」とアンダーソンが言うと、ルービンは「自分の好きなもの、嫌いなものはわかっている。何が好きで何が嫌いかをはっきりさせることができる」と答えます。

そして、アンダーソンはルービンに、アーティストにプロデューサーとしての技術力を提供するためでなければ、アーティストはいったい何のためにお金を支払われているのかと尋ねます。

ルービンは「自分のセンスに自信があり、自分の感じたことを表現できることが、アーティストの役に立っている」と答えています。

ルービンのプロデューサーとしての特異性を知らない人は、彼が技術的な機器の操作や楽器の演奏すらできないことを知ると驚くかもしれませんが、しかし、ルービンの考えるプロデューサーの仕事は、単にアーティストの音楽を録音したり、コンプレッサーの設定をいじったりすることではありません。

それよりも、一緒に仕事をするミュージシャン、そして彼らが作る音楽を正しい方向へ導く手助けをすることに重きを置いています。これは、注意深く耳を傾け、聞いたことについて意見や感想を述べ、アーティストの創造性を開花させるための適切な条件を整えることによって達成できます。このアプローチは、世界的に有名なアーティストを魅了する一方で、一部のアーティストからは賛否両論を呼んでいます。